2009年6月3日水曜日

Business, Government & Society; Management beyond Markets

Business, Government & Society; Management beyond Marketsの授業が本格的に始まった。世の中をより大きな枠組みで捉えようとするこの授業には興味があった。

今回は、シミュレーションをした。学生はいくつかのチームに分かれる。湖に隣接した工場を経営していて、湖の水を使いそれを排水として流すか、浄化処理をするかの決断を下す。これを何回か繰り返す。前者だと利益が増すが、湖が汚染される、後者だと利益は増さないが、湖の汚染が改善する。湖が極度に汚染されると、全てのチームに大きな損失が発生する。

ルールとして、許可がない限り、他のチームと会話をしてはいけないことになっている。当然ながら、誰もが他人を出し抜こうとした。自分はインド人の医者とチームを組んだ。まあゲームだし、湖がどんなに汚染されようと、自分達だけの利益を追求してやれ、ということで、我々は排水を続けた。フリーライダーになってしまえ、と考えたのである。誰かが怖くなって湖を綺麗にするだろうと。

しかし、ここはMBAだからか、なのかわからないが、出し抜こうとする奴はいっぱいいて、湖はあっという間に過剰汚染になってしまった。途中で2回、他チームと会話をすることが出来る機会があった。そこでは、みんな湖を浄化しようという結論に至った。しかし、やはり結果的に何チームかは他チームを出し抜いて汚染をした。他チームが浄化をしている一方で、自分達だけが利益を追求をしているので、うまく出しぬけたチームは大きな利益を得ることが出来るのである。

ゲーム終了後、教授からのフィードバックがあった。我々は面白いほどに、ゲーム理論に沿った行動をしてしまっていた。各チームが出し抜こうとした結果、各チームが得た利益は、本来得られるべき利益を大きく下回っていたのである。

教授は「なぜ出し抜こうとするのか?」というところから議論を始めた。誰かが「競争に負けてしまうからだ」と言った。「なぜ競争に負けるのか?私は一言も我々は競合他社だなどとは言っていない。」なるほど…我々は知らず知らずの内に、競争というものを叩き込まれている。これには気づかされた。

最終的にこうした体験を通して、The tragady of Commons(コモンズの悲劇)という概念を学ぶものであったが、大変面白かった。結局、このシミュレーションでは、全てのチームが毎回浄化処理をすると、全体利益が最大化される仕組みになっているらしい。実際のビジネスでは如何に騙すか、出し抜くか、が決定打となる場合がたくさんあるが、そうしたことを当たり前と思うことから離れて、本来あるべき姿、というものを再認識出来た。

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