2009年7月18日土曜日

Strategic Communication

毎度お馴染み、ソフトスキルを高める授業について。Strategic Communicationという授業がある。これは目的達成のための有効なCommunication方法について勉強するものである。例えば、会社面接の時、採用官は面接を受けにきている学生にどのような言葉をかけることで、面接内容を膨らませることが出来るか、とか、セールス分野で働く人はこれこれこういう風に客に働きかけろ、とかそういったことである。

この授業で、上司との接し方、というのがあった。教授は、「この中に日本人はいるか、日本では上司を敬わなくてはならないのか?」という質問を投げかけた。当然クラス内のもう一人の日本人学生か自分が、こういった場合常にターゲットになる。その日はとても疲れていたので、この授業は途中で家に帰ってしまおうかと思っていた授業だったが、ここに来て出番が来た。自分がそれについて話をすることになったのだ。

教授は、効果的なCommunicationのために、立って話をしなさい、と言ってきた。仕方がないから、立ってみんなのほうを向いて喋ることになった。IEには、普通のビジネススクールにあるような半円形の教室がないので、前から2番目の列に座っている自分は後ろを向いて立って話をしなければならない。内容としては、「日本では、最終的な意思決定が下されるまでに、何人ものボスをクリアしなければならない、また、いろんなボスが色んなベクトルに向いていて整合性がないがそれぞれのボスの面子をつぶしてはいけない、それでも直属の上司のご機嫌をとることがうまくやっていく秘訣だ、そして最後はストレスでみんな病院に行くんだ」という趣旨のことを話した。みんな爆笑していた。自分の説明の仕方と、ジェスチャーが面白かったらしい。

教授からは、「お前は教室の端っこに座っていたので、正直あまり視界に入っておらず申し訳なかったのだが、ここにきてこんな能力があることを知って、すごい驚いたぞ、Excellentだ!!」という絶賛を浴びた。普段ほとんど口をきかない後ろに座っているスペイン人の女学生からも、「もっとParticipateしなさいよ、あなたがParticipateするとクラスがとても面白くなるわ」と言われた。また、授業の最後に教授が、「今日の授業でもっとも良かったこと、学んだことを挙げなさい」と学生に問いかけると、ある学生が「彼のパフォーマンスが一番よかった!」と自分のプレゼンを賞賛してくれた。

いかに眠気と戦いながら乗り切るか、それしか考えていなかった授業が、一転して素晴らしい場になった。

2 コメント:

麿 さんのコメント...

すばらしい!
武士は抜身の刀を振り回すのではなく、ここぞという場面で抜刀するもの。
まさに、貴兄の授業の発言はそれに当たる。
普段は昼行灯として、ボヤーっとしていても、いざというときにバッサリ一刀両断できるよう、日々の鍛錬を怠らずにおくことは重要。
その調子で、乗り切ってくだされ。
では・・・。

Magemonosky さんのコメント...

麿さん

そうですね、そうした渾身の一太刀でもってしか、英語の不得手な私は生き残る道がありません。

ただ一太刀一太刀の質を見極める者が、これまた少ないことも事実ですね。太刀の数が多い者が、授業に貢献していると考えてしまう、納得のいかない教授も中にはいるのですよね…。