2009年10月23日金曜日

フットボール観戦

スペインに来て1年余り、ついに地元レアル・マドリッドの試合を本拠地サンティアゴ・ベルナベウで観る機会を得た。しかも欧州チャンピオンズリーグでの好カード、レアル・マドリッドvsACミランである。

マドリッドに対し否定的であり、片やでインターナショナルシティが好きな自分が応援したチームは当然…

レアル・マドリッドに決まっている!!

何だかんだでマドリッドに1年以上住んでいる身としては、レアル・マドリッドに思い入れが強いのである。レアルマドリッドとACミランの対戦の歴史上、レアルのホームであるサンティアゴ・ベルナベウでレアル・マドリッドが負けたことはなかった。なのでレアル・マドリッドの勝利を確信して止まなかった。

サンティアゴ・ベルナベウ周辺には、キックオフ2時間前だというのに多くの人でごった返していた。騎馬警官が警護のためにたくさん配列されていた。ACミランのサポーターが歌を歌っていた。しばらくすると、選手を乗せたバスがスタジアムに姿を現した。いよいよ実感が湧いていた。

周辺のバルは大いに賑わっていてみんなビールを飲んでいたので、持ち込もうとテイクアウトしたのだが、スタジアム内はアルコールは禁止らしい。まあアルコールと試合の興奮が合わさったらとんでもない騒ぎになるのは必至だから、それは仕方のないことだろう。

そしてついにスタジアムの中に入った。大学時代の卒業旅行でFCバルセロナのカンプ・ノウを見学したことがあったが、サンディアゴ・ベルナベウもとても立派なスタジアムだった。客席が巨大な壁のようになっていて、観客の声が本当に響き渡るのである。サッカーのためだけに作られた80,000人収容のスタジアム。本場のサッカーとはこういうものなんだ。それと同時に、家からわずか15分で来ることが出来るこんな素晴らしい場所に今まで来なかったことを後悔した。チケット販売当日にチケットを予約したのだが、結局値段の張る席しか予約出来なかったので、良い席に座ることとなった。想像以上に素晴らしい席だった。世界最高峰のチームの試合がこんなに近くで見られるなんて贅沢過ぎる。

試合開始前のピッチ

レアル・マドリッドの応援席

選手紹介が始まった。最初はアウェイのACミランの紹介からだった。ホナウジーニョのようなスーパースターの場合は、さすがにレアルサイドからも歓声が沸いたが、その他の選手に対しては静かめだった。一方、レアルの紹介になると、地響きのような歓声が湧き上がった。ラウールやカカの時の歓声が特に凄かった。

試合が始まると、その最中に他試合の状況が伝えられる。アトレティコ・マドリッドがチェルシーに負けていることを知ると、レアルサポーターは歓喜を上げていた。やはりマドリッドも二分されているのだということを感じた。さて、前半、ACミランのキーパーのミスのこぼれ球をラウールがゴールにねじ込みレアルが1点を先制した。得点が入ると、みんな一斉に立ち上がって大声を上げて喜んだ。自分も嫁も完全にその中に混じって、レアルの先制点を喜んだ。もう完全にレアルファン。周りにはやたとぶつぶつコメントを言っているおっさんや、シュートが外れると自分の髪をグシャーっと掴んで残念そうな顔をするおばさんがいて、みんな自分の身の上のことのようだった。つくづく地元に愛すべきサッカーチームがあることを羨ましく思った。

前半はレアルが優勢に試合を運び、レアルの勝利が予想された。やっぱりサンティアゴ・ベルナベウはレアルに追い風を吹かしていると思った。しかし後半、ACミランが盛り返してきた。後半最初の得点はミランだった。自分の周りの観客席は騒然とした。何が起こったんだ?みたいな静けさがあった。自分も起こった現実を信じられなかった。もはや完全に観客に溶け込んでいて、レアルと一蓮托生状態だった。しかもその後、もう一度ミランが得点をした。信じられないような弾丸ロングシュート。ゴールの端っこを突いた。スタジアムの一部であるACミランの応援席だけがワーッと叫んでいた。自分の周りは沈黙。何が起こったのかわからないような、信じられないゴールだった。1-2。なんとなくミランにゴール前に攻め込まれると不安な気持ちになる、そんな状態がこの試合は続いていた。もうホナウジーニョにボールが渡るとかなり不安。ホナウジーニョのプレーは面白くて好きだけど、この日ばかりは憎き敵である。もう必死でレアルの同点を願い、応援をする。そしてついにレアルは同点に追いついた!やったー!会場は一気にレアルの雰囲気になった。その後、曰く付きのゴール(?)が両チームにおいて発生したが結局ノーカウントだった。レアルの攻撃は、明らかにミランのゴールラインを割っていた。自分の席はゴールラインの真っ正面だったので、これは明らかだった。しかしこれはレアルのゴールにはならなかった。起伏のあるものすごいエキサイティングな展開がずっと続いた。この試合に来て本当に良かったと思った。両チームともに得点をしようととにかく激しく攻撃をする。日本で観るサッカーはなかなか得点が入らなくて退屈に感じることも多いのだか、欧州のトップチームのサッカーは違った。休む暇なんかない。時間があっという間に過ぎていく。だが悲しいかな、試合終盤、ミランのパトに文句なしのヘディングを決められてしまい、そのまま試合終了。レアル・マドリッドがホームで初めてACミランに敗北を喫した。悪い意味で、歴史的瞬間に遭遇してしまった。

ただいずれにしても、本場のサッカーの素晴らしさを知った。もっと早くから来れば良かったと何度も思った。近く、レアル・マドリッドとアトレティコ・マドリッドのマドリッドダービーがあるので、是非観に行きたいと思う。ああ、しかし悔しかった…。自分のことのように悔しい!

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