2009年11月11日水曜日

図示

この留学生活で嫌というほどたくさんのプレゼンテーションを見てきた。その中で面白いなと思ったことが、「人の数だけ、図示の仕方がある」ということだ。

基本的に、図示をする理由は、文章で表現するよりも伝わりやすいからだと思う。ところが、「なるほどこの図は分かりやすい」と感じることがとても少ない。

ビジネススクールの学生は本当にかっこいいプレゼンテーションシートを作る。おお、コンサルっぽいとか投資銀行っぽい(完全な主観)とか、ミーハーな自分にはこの第一印象が結構大きい。だがよく見ると、何のために図示しているのかとか、そもそも何を言いたいのかが全くわからないケースが多いのである。例えば色がたくさんあって、一体どこを強調したいのか。あるいは図の中に、やたらと細かい字がたくさん入っていたりして、図の意味が完全に失われていたりすることもある。英語ネイティブならもしかしたら理解出来るのかもしれないが、そうでない学生には、あの短時間であれだけの情報量を処理するのはかなり難しいのではないかと思う。

先日Venture Labのミーティングをしていた時のことである。ビジネスモデルを図示する必要があり、それを自分が担当することになっていた。ビジネスのフローを示すため、時間軸が必要であると考えたのだが、メンバーにこれは必要ない、と言われた。自分としては、当たり前のことをしたつもりだったのだが、他人には当たり前のことではないのだ。きっと自分のこうした考えと同じように周りの学生も自分の図示に絶対の自信をもって臨んでいるのだろう。

マッキンゼーが図解の技術の本を出版していた。万人が納得できるような普遍的な図示を達成することの難しさを知った今、こういった本が売れる理由がよくわかった。

2 コメント:

麿 さんのコメント...

MBAさん風にいうなれば、MECEってやつだな(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)。
これって、なかなか難しいものよね。
では・・・。

Magemonosky さんのコメント...

>麿さん

MECEっていうのは本でもよくみますけど、これはMBAでもなかなか浸透していませんね。例えば授業もこれをきちんと理解して展開してくれたら本当にわかりやすいと思いますよ。