2009年6月27日土曜日

幼稚園?

第3タームの授業は、授業中何とでも発言出来る科目が多い。IE Business Schoolというところは、本当にみんなよく発言をする。というか根っから喋りたいやつが多いのだと思う。知人から、著名な米国のビジネススクールですら、一部の人間が喋るだけで、そこまで議論が活発ではないところもある、ということを聞いたことがある。そういう点からすると、日本では味わえない雰囲気を存分に味わえる、ということが言えるだろう。

ただ、こうした授業だからこそ、きちんと発言の質を見極めたり、関係のない発言を途中でドラスティックに遮断する能力が教授に求められるわけだが、残念ながら、そうした教授はほとんどいない。クラスパーティシペーションスコアを上げようと、無理やり質問を作って投げかける学生も結構いるのだが、そうした明らかに質の低いものでも、制することが出来ずに受け入れてしまっている。また、今はこのテーマについて話をしていて、そのテーマはその後に話す、ということを事前に説明しているにも関わらず、どうしても発言ポイントを稼ぎたくて、フライングをするルール破りの人間もいる。こうした場合も、教授が断固とした態度で臨めばいいのだが、そうしたフライング発言が行われると、次に議論するはずだったテーマのタイトルをホワイトボードに書き出し、そのフライング発言を受け入れてしまう。

ということで、この第3タームは無秩序に子供達が言いたいことをいう幼稚園のようである。だが、成績のために自分も幼児回帰しなければならないこともまた事実…。再び現場に戻った時、現場の思考レベルに戻るまで時間がかかるかもしれないことが危惧される。

2009年6月26日金曜日

グループ課題

この第3タームは、グループ課題と個人課題の両方が多い。毎日何かしらそれに関わっている気がする。こうした日々を通して、グループメンバーの重要性にこのタームでは強く気づかされた。いい奴、嫌な奴、このMBAが始まってから色々あったが、今回は明暗が分かれた。

まずSupply Chain Managementのグループ。これは通常のグループとは違い、任意で3人のメンバーを選ぶ。メンバーはインド人の医者と、韓国人の元サムスンモバイル勤務。この面子は本当にいい加減で泣きそうである。MBAであるにも関わらず、まったく責任感がない。まず、最初に韓国人が根を上げた。彼は週末にスペインで作った彼女と島にバカンスに行くと行っていて、それまでには自分の分担分はきちんとやる、と豪語していた。しかし最終的に以下の趣旨のメールが届いた。「今週俺は他の課題に追われ全く寝る時間がなかった。だが週末は旅行に行かなければならない。だから締め切りが近いマーケティングのファイナルエグザムを今はやらなければならない。Supply Chain Managementの課題は何も出来ない。ごめんなさい。悪く思わないでくれ。」彼が寝不足なのは、毎週末欠かさず繰り出すパーティーのせいであり、そこで生活リズムを完全に崩し、ウェークデイに悪循環を及ぼしていることを自分は知っている。そして結局彼は、このマーケティングのエグザムさえ完成させず、旅行に行ってしまった。驚いたのは教授に、バカンスに行くから締め切りを延ばしてくれとお願いし、それが受けれられたことである。この教授は授業開始時間には厳しいくせに、ここで見せたこの甘さは何なのか。2~3分授業に遅れた学生が「たかだか2~3分だよ」(これもどうかと思うが)といったところ、「ふざけたこと言うな。アメリカではそれを言い訳に首にされるぞ!」と怒っていたというのに。さて、もう一人のインド人に関しては、クラスでも折り紙つきの評判の悪さのようである。グループワークを極度に嫌う。彼は、ミーティングが嫌なので、スカイプで会話をしようと言い出した。しかも開始時間は締め切り日前日の夜10時。その時の課題のボリュームが大したことがないと考えていたため、それをOKしたことが間違いだった。夜の10時くらいから、ぶつぶつ自分の意見を主張しだした。こいつ今さら…!!この時、先ほどの韓国人はすでにバカンスから帰ってきていたので、自分は彼と一緒に作業を続けた。最後にレポート全体の構成と、英語の見直し作業が残っていたのだが、夜中の2時過ぎに彼は自宅に帰った。後は俺が仕上げるから任せてくれ、と彼は言った。さすがに申し訳ないと思ったのだろう。彼は英語力はすごいので、そこは任せることにした。気になるのは、インド人の動向である。彼は自分で付け加えたい箇所がある、といって、個人的に作業をし、明日自身の作業箇所をコンバインしよう、と言っていた。次の朝、起きてみたら韓国人からメールが入っていた。「眠気を抑えられないのでやっぱり寝る。明日の1時間目のファイナンスの授業中に内職をやって完成させる。」不安がよぎった。そう、彼は1時間目に学校に来なかった…。おまけにインド人が書いてきた付け加えたいと言っていた内容が、自分が元々書いていたレポート内容とほぼ同じだった…。つまり、レポートの最終的な整合作業をする時間がほとんど持てなかった。結果、我々はSupply Chain Managementの授業開始前、そう、このレポートの締め切り時間に間に合わせることが出来ないという最悪の結果を招いてしまった。自分はレポートをプリントアウトして、授業開始後に、のこのこと途中から教室に入っていく始末…ありえねーだろ…。教授はレポートを受け取るつもりはなかったらしいのだが、結局、この韓国人が話をつけ、今回は受け取ってもらえることになった。怒りを通り越した絶望が自分を包み込んだ…。チームをマネージ出来なかった自分の責任だ…という一方で、あまりの無責任さに愕然としてしまった。MBAに来ている学生全員がマネジメントスキルを身につけたいわけではないのだ。

一方、Advanced Fiancial Managementのグループ課題もほぼ同時期に担当していたのだが、こちらは、その他の二人が、スイス人で投資銀行勤務、インド人で公認会計士、という顔ぶれだったため、大変すんなりと事が運んだ。他のグループからも彼らに色々と質問に来る程の信頼感があったため、自分も大いに安心していた。彼らの発言には説得力がある…ファイナンスに関わる仕事をしていたとはいえ、彼らのような専門家ではない自分が口出しするのは悪い…(言い訳)こうして、このグループでは安心しきってしまい、緊張感が抜けてしまった…しかしなんと、この課題の点数はなんと10点中6.5点という悲惨な結末…!!がーん!彼らはプロフェッショナルだが、そういえばあまり授業内容に忠実ではなかったかもしれない気がした…。何というか、これまでの経験で問題を解いている気がした…ここは学校であることを忘れていた…。

どうも今期はグループワーク運が悪い。…ていうか、自分で何とかしろって?

2009年6月16日火曜日

灼熱マドリッド

まだ6月の半ばだというにも関わらず、マドリッドは灼熱の気候である。街の温度計は、たまに40℃を表示している。

おまけに激しい乾燥で、肌がかゆくて仕方がない。こっちの洗顔料は質が悪いので、日本にあるような「潤い保湿成分」みたいなのはないと思う。そしてそうしたものを日常的に使えることのありがたさを感じている。

かゆいと勉強に集中が出来ないのでとてもイラつく。暑いのも嫌なのだが、クーラーを付けると余計に乾燥するので、パーフェクトな解決方法ではない。

昨年9月にここに来た時にも暑いと思ったのだが…今はもっと暑い。

2009年6月12日金曜日

レアルマドリード補強

リーガエスパニョーラはシーズンが終わり、結局バルセロナFCが優勝した。地元マドリードにある誰もが知っている世界一の金持ちクラブ、レアルマドリードは2位に終わった。

だが、ご存じの通り、来季は、C・ロナウド、カカがレアルに移籍してくる。しかも、史上最高額の移籍金で。

自分はサッカーの素人であるが、この二人の移籍によってレアルマドリードが盛り上がることは嬉しい。12月までの滞在期間の内に、何としてもレアルマドリードの本拠地であるサンティアゴベルナベウに足を運ばなければ!

2009年6月10日水曜日

第3タームのグループ

第3タームも新しいグループが編成されている。構成メンバーは以下。

イギリスとフランスのダブル国籍:女性(T-Mobile)
イタリア人:男性(スポーツメーカーHEADのプロダクトマネージャー)
インド人:(インドの公認会計士。一族で会計事務所を経営)
スイス:男性(Credit Suisse)
ベネズエラ人:(UBS→ラジオ局)
メキシコ人:(コカコーラでマーケティング→Diageoでマーケティング)
日本人:(商社)

まだみんながどんなキャラなのか深くはわからないが、なかなか真面目なグループだと思う。

2009年6月6日土曜日

久々のBar of the Week

金曜日の夜ということで、火鍋ディナーに行った。50人近くが所狭しと火鍋屋に集結していた。こうしたアジアの味というのは、やはり馴染みのあるもので快適である。

火鍋屋の後学生達は、今度NYにインターンに行くことになり、且つ誕生日である学生のお祝いパーティーに行くという。自分もそれについていくことにした。

どうやらそのパーティーはBar of the week(毎週末に行われるネットワークイベント。)と兼ねていたらしく、クラブで行われていた。自分はTシャツ、ジーンズ、スニーカーという服装だったので、これはまずいと思い、一緒にいた学生(女性)のジャケット(襟付き)を着て中に入った。(着れた!)

クラブは相変わらずG1レース本馬場入場の東京競馬場みたいに、ごった返していた。ビールを買うのに、20分かかってしまった。ちなみにこちらの誕生日パーティーというのは、日本みたいに誕生日を迎える人を丁寧にお祝いするというものではない。普通に大規模なパーティーが催され、出席者は誕生日を迎える人間と一言も会話をしないまま帰ってしまうこともある。要はみんな飲む口実が欲しいのだと思う。

このクラブは地下が踊る場所になっていて、みんな踊ってた。同じセッションの学生達が踊っているのを見つけたので自分もそこに行ってみた。クラスの学級委員であるブルガリア人の女学生がいたが、彼女は思いっきり頭を振っていた。思いっきり。もう一人、フランス人女学生は腰を大分クネクネさせて踊っていた。彼女はプレゼンの時も体をいつもクネクネしているので、クネクネが普通なんだと思う。インターンのため今は通常の授業から離れているグルジア人は激しく縦に揺れていた。この際だから、自分も思い切って踊ってしまえ、と思いやたらと高いテンションで踊っていたら、いつの間にか、自分の周りにドーナツ型の空間が出来ており、その外側でみんなが自分を見ている「オーッ!」とか「ヒューッ!」とか言っている…大分調子に乗ってしまったらしい。実はあまり酒が入っていなかったので、ちょっと恥ずかしかったでした…。

もう十分だったので、自分は3時半くらいには帰ってしまったが、みんなはやはり朝までいたのだと思う。

2009年6月3日水曜日

Business, Government & Society; Management beyond Markets

Business, Government & Society; Management beyond Marketsの授業が本格的に始まった。世の中をより大きな枠組みで捉えようとするこの授業には興味があった。

今回は、シミュレーションをした。学生はいくつかのチームに分かれる。湖に隣接した工場を経営していて、湖の水を使いそれを排水として流すか、浄化処理をするかの決断を下す。これを何回か繰り返す。前者だと利益が増すが、湖が汚染される、後者だと利益は増さないが、湖の汚染が改善する。湖が極度に汚染されると、全てのチームに大きな損失が発生する。

ルールとして、許可がない限り、他のチームと会話をしてはいけないことになっている。当然ながら、誰もが他人を出し抜こうとした。自分はインド人の医者とチームを組んだ。まあゲームだし、湖がどんなに汚染されようと、自分達だけの利益を追求してやれ、ということで、我々は排水を続けた。フリーライダーになってしまえ、と考えたのである。誰かが怖くなって湖を綺麗にするだろうと。

しかし、ここはMBAだからか、なのかわからないが、出し抜こうとする奴はいっぱいいて、湖はあっという間に過剰汚染になってしまった。途中で2回、他チームと会話をすることが出来る機会があった。そこでは、みんな湖を浄化しようという結論に至った。しかし、やはり結果的に何チームかは他チームを出し抜いて汚染をした。他チームが浄化をしている一方で、自分達だけが利益を追求をしているので、うまく出しぬけたチームは大きな利益を得ることが出来るのである。

ゲーム終了後、教授からのフィードバックがあった。我々は面白いほどに、ゲーム理論に沿った行動をしてしまっていた。各チームが出し抜こうとした結果、各チームが得た利益は、本来得られるべき利益を大きく下回っていたのである。

教授は「なぜ出し抜こうとするのか?」というところから議論を始めた。誰かが「競争に負けてしまうからだ」と言った。「なぜ競争に負けるのか?私は一言も我々は競合他社だなどとは言っていない。」なるほど…我々は知らず知らずの内に、競争というものを叩き込まれている。これには気づかされた。

最終的にこうした体験を通して、The tragady of Commons(コモンズの悲劇)という概念を学ぶものであったが、大変面白かった。結局、このシミュレーションでは、全てのチームが毎回浄化処理をすると、全体利益が最大化される仕組みになっているらしい。実際のビジネスでは如何に騙すか、出し抜くか、が決定打となる場合がたくさんあるが、そうしたことを当たり前と思うことから離れて、本来あるべき姿、というものを再認識出来た。