2009年11月30日月曜日

パリ、グラナダ

先週1週間は、両親が欧州にやってきたので、パリ、グラナダと旅行をした。

今回はツアーコンダクターとしての役割を担っていたのだが、特筆すべきは、フランス料理のレストランのことであろう。欧州に訪れる機会など滅多にない両親が来るということで、本場フランスのフランス料理を体験してもらおうと、星付きレストランを予約したのだ。

Le Sinqという二つ星レストランだった。ParisのFour Seasons Hotelの中にある。サービスの質で有名であり、且つZagat SurveyのFoodの評価は30点満点中28点と申し分ない。

これだけの評価であれば人生で最高の味に出会えるに違いないだろうと確信を持っていた。

…がしかし…正直なところ味に強い感動はなかった。雰囲気はとてもよかったのだが…。味、店内の雰囲気、サービス全てを含めた総合評価というのも一つの見方なのだろうが…やはり料理は味が最も重要なファクターであると思ってしまうのは自分だけだろうか。

両親がこの旅行で最も感動した料理は、このフランス料理ではなく、その後グラナダで食すことになる、インド料理屋のチキンカレーであった…。そして嫁も自分も、それに激しく同意したのだった…。

2009年11月19日木曜日

欲がない人達

Venture-Labもいよいよ佳境に入ってきて、今週末が提出。リスク管理という仕事をしてきた自分にとっては、チームメートが作るビジネスプランが、熱い思いや、ビジネスの詳細を書くことに腐心していて、全く守りのことを考えていないように見えることが結構ある。これを正そうとはするものの、みんななかなかそっちに気が向かない。二人ともエンジニアだったので、ファイナンスサイドの視点に立っている自分の考えが煙たいのかもしれないなあとも思う。でも彼らが考えないことをでバリューを付加していくことが自分の役目だと思っているので、しつこく言うつもりである。

ところで、この二人は優秀なのだが、あんまり欲がない気がする。フランス人は、ファイナンスの成績がトップクラスなので、教授からは金融の本場であるロンドンの投資銀行に行くべきよ、と言われてるらしい。が、当の本人は、奥さんの雇用契約が3年間あるため、マドリーに残らなければならないという理由、そして、家族とゆっくり過ごしたいという理由から、マドリーに残る方向性で仕事を探している。自分のキャリアよりも、奥さんのキャリアに理解を示し、それについて行っている。元々、奥さんがマドリーで働くから、という理由でコースが始まるギリギリにIEにアプライした経緯があるらしい。スイス人は、Venture-Labのビジネスプランに自らのCVを掲載していたが、そこにはGMAT760と書いてあった。GMATだけでいえば、入れない学校などない点数である。1回目で取ったらしい。以前アメリカで1年間勉強した際、アメリカ制のテストで出題されるトリックの傾向を見抜いたらしく、それがアドバンテージだったと説明している。普通はそれをアドバンテージに出来ないと思うのだが…。彼もアプライしたのはIEのみ。アメリカは2年制で長い、欧州の某トップ校は、大都市から離れているから、という理由でアプライしなかったとか。おまけに依然としてMBAにありがちな、コンサルや投資銀行志向が全くみられない。

この二人に共通しているのは、気配りが出来ることである。恵まれた頭の回転の速さと、周りを気遣うことの出来る性格、こんないい材料を持っているのに、欲がないなんて。自分にとって何が大切かをきちんと認識して生きているのだなあ、と思う。日本にいて感じたのは、何というかみんな焦燥感に駆られて生きてやしないか、ということだった。才能に恵まれた人はこういう生き方をしなければダメ、みたいな雰囲気がありやしなかったかと思う。そんなこと関係なしに、「知らないよ、俺はこういう風に生きたいんだ。」ということを平然と貫いて生きているチームメート達。こういう姿勢が人生を本当の意味でリッチにするのではないかと思った。

2009年11月18日水曜日

Electiveのドロップ

このエレクティブタームでは元々登録科目数が多かったこと、学習内容がやたらと多いAdvanced Corporate Financeをじっくり勉強したいこと、Venture-Labの締め切りが今週末に迫っていること、以上からSwim With The Pressという授業をドロップしようと考えていた。取りあえず1,2回目の授業に出てみたのだが、予想と違い、授業外でもグループワークがあるようだった。全部で5回しかない科目であるとナメていたが、今週に限っては結構時間を使いそうな科目にみえたので、とても続ける気になれなかった。

学校側に掛け合ってみたが、既にこの授業は満席となっているので、ドロップは出来ないと言われてしまった。通常は、第3回目までの授業までに学校側に伝えればドロップ出来るのだが(成績表にはドロップと付されるらしいが。意地悪だよなー。)、満席となっている授業ではそれが出来ない。こうなると登録しているのに出席をしない奴、という扱いになるので、最低の成績を付けられてしまう。それでも授業だけ出てグループワークに何の付加価値も与えないフリーライダーにはなりたくないので、やっぱりこのまま出席しないことに決めた。

このエレクティブの制度は、就職活動をしている学生にとってもかなり苦しいようで、海外で就職活動の面接がある場合などでもドロップは出来ないらしい。エレクティブでは特に毎日連続して授業が行われることが多いので、ちょっとマドリーを離れるだけでも出席に大きな痛手となってしまう。

(もしこのブログをご覧頂いているClass of 2010の方々がいらっしゃいましたら、このあたり良く考えてエレクティブを登録されることをおススメします。)

ということで、犠牲を払って作った大切な時間、ファイナンスをじっくり勉強しようと思う(Hopefully)。

2009年11月16日月曜日

クラスの飲み会

残り1カ月しか残されていない学生達が、寂しさをひしひしと感じ始めたのか、パーティーを続々と企画し始めている。この週末の金曜日も、クラスメート宅で大規模なパーティーが行われた。こうしたクラス飲みは久しぶりだと思う。

夜10時くらいまでフランス人の友達と学校でVenture-Labの作業をした後、二人で最近出来た日本食レストランに行った。値段もそこまで高くなく、日本を思い出すような味を出してくれるレストランであった。コース終了直前にこうしたレストランが出来るなんて…もう少し早く出来ていれば良かったのに。ここでフランス人は美味しそうにお好み焼きを食べていた。自分は串揚げ、焼き肉、寿司を注文した。

その後クラスメートのフラットに行った。2時間遅れの12時頃に行ったのだが、みんな既に盛り上がっていた。思ったより集合が早い。お馴染みの顔ぶれである。韓国人のクラスメートがスピーカーをPCに繋いでいて曲を流し、クラブの臨場感を演出しようとしていた。この日は自分も既に酒が入っていたので、彼らに追いつく必要はなく、初めっから良い気分だった。終わりも近づいているので、寂しい感じもした。みんなアルコール度数何度かわからないやたらと強い酒をワンショットで飲もうぜと言ってきたり、モップでリンボーダンスを始めたりして、無秩序状態になっていた。みんなが自分にもリンボーダンスをやれ、とリクエストしてきたので、おっしゃやってやろうか、とグラスをテーブルに置こうとしたら、手が滑って、クラスで人気ナンバーワンのイギリス/フランス人女性の服にビシャッと酒をかけてしまった。まずいと思い、合掌して座りこんで謝った。日本であれば、ここでさらに一気飲みをさせられたところだろう。その他にも、見たことのない青い液体の酒を飲ませられたりした。異常に強くて、口の中が火傷しそうに熱い。さすがにキッチンで吐き出した。

が、突然パーティーに終わりがやってきた。警察が来たのだ。スペインでは夜の12時以降、警察を呼んでやかましいイベントを無理やり止めることが出来ることが法律上定められている。逆に言うと、12時前はどんなに騒がれていても、自分で止めるしかない。警察が来る前にも近隣住民が幾度となくやってきて文句を言っていた。当たり前である。普通にアパートの中でこんなパーティーをやる方がおかしいのだ。

しかし、勢いづいたラテンカルチャーを止めることは出来ない。勿論その後みんなクラブに行くわけである。酔いにまかせて自分もみんなについて行った。どういうわけかこの日は入場料が無料だった。みんな踊り始めた。こうなると会話なんてなくなってしまい、ただただみんな汗を流すだけの段階になる。自分はここで一気に酔いと疲れがどっと来た。ソファーに座りこんでしまった。学生が「ヘイ、行こうぜ!」みたいなことを言っているが、英語で返答するのももはや苦しくてたまらない。喋ることすら難しいのだ…。朦朧とする意識の中で、踊り狂う学生達がぼやけて見えた。この1年間で乗り越えられなかったことを一つ挙げるとすれば、彼らに対抗できるだけのアルコール耐性を得られなかったということだと思う。

結局、韓国人の友達に連れられ、外で嘔吐。タクシーで帰宅。タクシー下車後にまた嘔吐。家に着いてシャワーを浴び寝るも、翌日の土曜日も嘔吐。一連の嘔吐は夕方まで止まらなかった。土曜日は何も出来なかった。

こんな日々ももう終わってしまうんだと思うと、体の苦しさよりも寂しさの方がはるかに辛い。

2009年11月13日金曜日

混迷の時代

MBAホルダーの友人が転職会社から、Class of 2009のMBA新卒者が現在直面しているジョブマーケットは、過去30年間で最も厳しいものである、と言われたそうである。

社費派遣で来ている自分はこの実感があまりないのだが、周りの学生を見ているとかなり大変そうである。こうした経済環境の厳しさと、昨今のMBAブームによるMBAの飽和状態も合わせて考えてみると、MBAの投資効果がますます見えにくくなっているなあと思う。


2009年11月11日水曜日

図示

この留学生活で嫌というほどたくさんのプレゼンテーションを見てきた。その中で面白いなと思ったことが、「人の数だけ、図示の仕方がある」ということだ。

基本的に、図示をする理由は、文章で表現するよりも伝わりやすいからだと思う。ところが、「なるほどこの図は分かりやすい」と感じることがとても少ない。

ビジネススクールの学生は本当にかっこいいプレゼンテーションシートを作る。おお、コンサルっぽいとか投資銀行っぽい(完全な主観)とか、ミーハーな自分にはこの第一印象が結構大きい。だがよく見ると、何のために図示しているのかとか、そもそも何を言いたいのかが全くわからないケースが多いのである。例えば色がたくさんあって、一体どこを強調したいのか。あるいは図の中に、やたらと細かい字がたくさん入っていたりして、図の意味が完全に失われていたりすることもある。英語ネイティブならもしかしたら理解出来るのかもしれないが、そうでない学生には、あの短時間であれだけの情報量を処理するのはかなり難しいのではないかと思う。

先日Venture Labのミーティングをしていた時のことである。ビジネスモデルを図示する必要があり、それを自分が担当することになっていた。ビジネスのフローを示すため、時間軸が必要であると考えたのだが、メンバーにこれは必要ない、と言われた。自分としては、当たり前のことをしたつもりだったのだが、他人には当たり前のことではないのだ。きっと自分のこうした考えと同じように周りの学生も自分の図示に絶対の自信をもって臨んでいるのだろう。

マッキンゼーが図解の技術の本を出版していた。万人が納得できるような普遍的な図示を達成することの難しさを知った今、こういった本が売れる理由がよくわかった。

2009年11月8日日曜日

フットボール観戦② レアルマドリッド VS アトレティコマドリッド

先日のチャンピオンズリーグが素晴らしかったので、またフットボールに行った。今度はレアル・マドリッド対アトレティコ・マドリッドのマドリッドダービーと言われるマッチである。

今回は学校の友達を含め4名で観戦をすることなっていた。試合前に近くの駅で食事をすることになっていたのだが、思ったよりそこで時間を使ってしまった。また、この日のスタジアムはEstadio Vicente Calderonというアトレティコのホームスタジアムだったのだが、歩くと結構距離があり、ここでも到着時刻見積もりを誤ってしまった。結局、走りながらスタジアムが見えたー!という時にはスタジアムからものすごい歓声が挙がっていて、これがカカによるレアル・マドリッドの先制点だということを後から知った。試合開始後5分で点が決まっていたのである。

みんなぜいぜい言いながら、スタジアムの中に入った。と同時に目を疑った…うわー真っ赤…みんなアトレティコファンであった。基本的にメインスタンドから見て、左側がホーム、右側がアウェイのチームの応援席であると認識にしていたのだが、どうやら様子が全く違う。しかもアトレティコのサポーターはやたらと血気盛んでかなり怖い。席はどこだ?と探しているだけで、「座れお前ら!!」みたいなヤジがたくさん飛んできた。さらに状況が悪いことに、我々が予約している席に座っている人間がいて、一向にどこうとしない。整備員みたいなやつに何とかしろと言っても、ビビって何も言おうとしない。本当に役立たずである。仕舞いには、友達の中の一人にとても勇敢な者がいて、警察を呼んできて事態に対処することになった。彼はスペイン語にも非常に堪能で、当事者と激しく議論をしていた。次第にあたりは騒然となった。この我々の席を占拠しているやつらは、警察の呼びかけにも一切応じようとしない。一方で、観客は「見えねえんだよ!中国人!」みたいな罵声を我々に浴びせてきた。完全に四面楚歌の状態である。今自分の上着の懐にあるレアル・マドリッドのマフラーがぽろっと落ちてしまったら、確実に殺されるだろう。最終的に警察がこの占拠していたやつらを無理やり追い出したものの、こいつら、一旦席を去った後また戻ってきて、何があったのか知らないが周辺のスペイン人の観客と一触即発の状態になっていて、まさに乱闘直前状態であった。警察が必死でこのクレイジーな客を取り押さえていた。

この勇敢な友人のおかけで我々は何とか席に座ることが出来た。彼がいなければ座ることは絶対に出来なかったと思う。「我々は確かにチケットを買ったのだから、座る権利があるのは当然である。」という趣旨の彼の堂々とした発言には、感銘を受けた。だが、アトレティコサポーターの激しさは止まない。周りは皆、汚い言葉でレアル・マドリッドを罵っている。ここでは絶対にレアルを応援することは出来ない。もうアトレティコの選手が倒されたりなんかすると最悪で、審判やレアル選手に激しいブーイング、声が枯れる程にでかい声を出している。サッカーには付きものの、あの「ブーッ」なるラッパみたいなやつを力いっぱい吹き鳴らす。とにかく観客の品が悪すぎる。ところで、このアトレティコのホームスタジアムは大きいのだが、サンティアゴ・ベルナベウに比べるととても庶民的で、神宮球場みたいな感じがした。金持ち階層が支持をしていたというレアル・マドリッド、一般大衆階層が支持をしていたアトレティコ・マドリッドという風に言われているが、それがよくわかる状況だった。何というか、そう、日本のテレビで頻繁に目の当たりにする、ものすごく危険なサッカースタジアム、それにまさに現実的に接触をしている感じだった。

結局前半が終了すると、レアル・マドリッドの応援席に移動することにした。が、驚いたのだが、本当に片隅ににしかレアル・マドリッドの応援席がない。同じ街なのに…。それに、レアルとアトレティコの応援席の境界線には、ずらっと警察官が並んでいた。1列ごとに警察官が立っている。最初そこを通してもらえなかったのだが、状況を伝えて通してもらうことが出来た。わずかなスペースであるにも関わらず、レアルの応援席は空席が結構あった。アトレティコファンが暴動を起こしたらこの人数の警官ではとても防ぎきれないだろうと思う。おそらくだが、レアルマドリッドのファンは100~200人くらいしかいなかったのではないだろうか。対してアトレティコのサポーターはほぼ会場全てを埋め尽くしていたので、50,000人はいたのではないかと思う。この比率なので、ブーイングが起きると、これまで聞いたことがないような大音声が響き渡る。

警察が通路に立っているのがわかるだろうか。
ここより手前がレアル・マドリッドの応援席。

あとはぜーんぶアトレティコ・マドリッドを応援する観客。

さて、試合だが、後半アトレティコは前半とはまるで違うチームかのように良い動きをし始め、34分に1点入れた。ただこの時点で3対1だったので、問題ないだろうと思っていたが、2分後の36分、またアトレティコが得点をした。これでいよいよ分からなくなってきた。この2点目が入った時は、恐ろしいくらいの地響きが起こった。スタジアム全体がアトレティコを勢いづけている。ホーム、アウェイというものの差は、これまでは理屈ではわかっていたが、この日は身を持って知った。アウェイというのは本当にやり難いんだろうと思う。その後もアトレティコの猛攻が続いた。これが本当に今期不調のチームなんだろうか?ダービーというものは、何か違う力が作用するということなのだろうか?とにかくスタジアムに来ると、目を離せる隙など全くなく、あっという間に時間が過ぎていく。こうしてレアルが攻め込まれている中、カカが交替となった。カカは退場する際、本当にちっちゃなスペースに追いやられているレアルの応援をみて、手を振った。こんな敵中の中でも、選手はきちんと自分のチームの応援席を意識しているんだなあと思うとちょっと感動した。それと同時に、こんな敵地の中でも俺達がついているぞ、という選手に対する気持ちが湧いてきた。

結局レアルがそのまま守り切り、勝利を掴んだ。試合が終わった後、レアルのサポーターは、アトレティコのファンに向かい、さらに罵声を浴びせていた。汚い言葉で罵り続けていた。善戦をした互いを称え合うということは一切ない。死体にさらに銃弾を撃ち込むようなことをしなくてもいいのに…レアルサポーターも性質が悪い。

いずれにしても、ダービーならではの殺伐とした雰囲気、そして展開のある試合内容、今回も十二分にフットボールを楽しむことが出来た。

このマッチについては、同期の日本人学生のブログでも詳細に描かれているので、是非ご覧になっていただきたい。

2009年11月6日金曜日

プレゼン週間

今週は3日連続でプレゼンをするという状況であった。

まず1日目、Venture Labのプレゼンテーション。投資家に自分達を如何に売り込むか、この訓練のため、ファンドのマネージャーである教授の前でピッチを行った。概ね良いという出来であり、特に自分の担当していたファイナンスの部分は、無駄がなく必要なものだけがきちんとプレゼンされておりパーフェクトである、という評価をもらうことが出来た。たくさんの情報を詰め込もうという姿勢が学生間に蔓延している中で、「伝えること」というプレゼン本来の趣旨を貫いてきたことがここに来て初めて評価された気がして素直に嬉しかった。

2日目、Advanced Corporate Financeの授業で、リアルオプションに関するプレゼン。関連トピックの事例を挙げる必要があった。NPV法との算定結果の違いを例示したかったのだが、具体的に数字が盛り込まれた事例というのは極めて少なく、かなり苦労した。このプレゼンは、エクソンモービルに勤務していたアメリカ人と、卒業後マッキンゼーで働くブラジル人との3人で準備し、プレゼンを行った。彼らはこうしたキラキラの社名に恥じることのないパフォーマンスを、同僚に対するフィードバック、そして仕事の効率面という点において、いかんなく発揮していた。彼らのおかげでとても快適に準備が出来たし、自信を持ってプレゼンに臨むことが出来た。ただ一つ、プレゼン修了後、何の質問もなかったことが気になる…。わからなかったのか、興味がないのか、あるいは我々のプレゼンが完璧だったのか(普通はそういうことはないよな…)

3日目。図書館で作業をしていたら、突然フィリピン人の学生がやってきた。「今忙しいか?」とその独特の喋り方で訊いてきた。新入生にIEでの生活についてプレゼンをする必要があるのだが、人手が足りないのでやってくれという。次の授業まで時間があることだし、まあいいかと引き受けてしまったのだが、プレゼンまではあと45分くらいしか残っておらず、事前にスライドを確認したのは開始20分前だった。この他に、クラスメートのポルトガル人とイタリアとアメリカの両国籍人の2名、計4名でやることになった。即興で何とかすればいいだろう、とみんな言っていたが、即興で英語でプレゼンをしたことはこれまでにない。しかし、アジア人の新入生の中には、典型的な静かな学生も多いかもしれず、彼らにまあこうやって自分は何とかみんなと一緒に助けられながらサバイブしています、というところを見せて勢いづけてあげたい、という気持ちもあったのも事実だった。だが後から、プレゼン相手はスペイン語コースのMBAであることが判明し、意気消沈してしまった…。えー、ラテン系の学生は基本みんな明るいから、敢えて自分がここで勢いづける理由があんまりないなあ…。でももう今更後には引けないなあ。そして、いざプレゼンが始まった。スライドを見た瞬間、頭が真っ白になった。えーとっ、何を言えばいいんだろう…?このMBAコースでのTIPSについて喋るんだったんだった…そして真っ白な頭の中出てきた最初の言葉は、「Enjoy!!」もうつべこべスライドに書いてあることについて喋るのは止めた!自分の伝えたいメッセージは、楽しめ!、ということなのさ!次にIE Communityについて話をした。Communityの概念図がスライドに書いてあった。「この図、なんだかMBAっぽいだろ?」あたりはシーンとしている。だめだ、笑いがないと辛い。自分にドライブをかける要素が何もない。素晴らしい仲間が君達を助けてくれるから、安心して臨んでくれ、というどこにでもあるような趣旨を伝えて次のスライドに。すると、全くみたことのないスライドが飛び出した。思わず「え?何これ?」とこぼしたところで、フィリピン人が「ごめんここは俺が喋るよ」と言って交替となった。自分のプレゼンが終わった後は、何回か口を挟んでコメントをしたりした。

いずれいきなり振られてもきちんとしたプレゼンが英語でも出来るようになりたい。最近やっと英語でプレゼンをすることにも抵抗が無くなってきたので、ほんの少しこの目標に近づけたかもしれない。