2009年9月6日日曜日

夏休み旅行 ~アメリカ合衆国 ワシントンDC~

次の朝、ワシントンDCに向かうため、チャイナタウンに向かった。ここ、チャイナタウンからは、近郊都市への格安バスが走っている。ワシントンDCへは、一人往復で35ドルという安さである。

バスには中国系の客が多い。バスはところどころイスのスプリングが壊れていたり、ゴミが転がっていたり、トイレが落書きだらけでしかも水が流れなかったりと、どこか別の国に来たかのような錯覚に陥るくらいであったが、安いのだから仕方がない。

サブウェイのサンドイッチをかじりながら、外の景色を眺めていた。ところどころで途中の街の風景が見える。フィラデルフィアやボルチモアといった大都市も見ることが出来た。これらの都市には遠くからでもわかるくらいの大きなビルが必ずある。アメリカという国は大きいんだな、ということを感じた。一方で、ハイウェイの周辺に建っている家々は、かなり古かったり、暗い雰囲気を醸し出していたりと、富と貧困が同時に存在していることも目の当たりにすることとなった。

やがて5時間くらいバスに乗って、ワシントンDCに着いた。ワシントンDCは首都でありながら、行政地区をすこし離れると治安がよくない、ということを聞いていたが、バスから眺める景色からなんとなくそれは伺えた。首都はその国の顔と言えるであろうが、世界で最も強大な権力を持つこの国の首都が、こんな隙をみせているなんて。

ワシントンDCは13年前に一度来たことがある。高校の修学旅行の時。あれが初めての海外旅行だった。随分昔のことなので、ほとんど記憶になく、今回こうしてやってきても、「ああここね、あったあった、覚えているよ!」というような感覚はまるでない。その意味では、来たことのない街に来たような気分だった。

ワシントンDCでは、オバマ大統領がまるでアイドル扱いだった。等身大のオバマ大統領ボードが店の前に置いてあったり、オバマ大統領グッズがたくさん売っている。実際、ワシントンDCの人種構成は、アフリカ系アメリカ人が最も多く、50%を超えているらしいので、こうした人口構成がよりオバマ人気に拍車をかけているのかもしれない。

アイドル大統領

さて、最初に行ったのは、恥ずかしいくらいベタにホワイトハウスである。修学旅行に行った時は中を見学出来たのだが、今は警備が厳重で、日本大使館を通じて予約をしないと中に入れないらしい。今だったら昔とは違った観点でみることが出来たろうから、少し残念だった。既に夕方だったので、行政区をうろうろすることにした。サブウェイのサンドイッチ以来何も食べていなかったのだが、夕飯時も近いということで、空腹を埋めるため、Ben&Jerryでアイスクリームを食べることにした。Ben&JerryはOld post office pavilionの中にあった。このため、再び手荷物検査を受けることに。Ben & Jerryを食べるのも楽ではない。中にあったBen & Jerryは、人類を内部から破壊する、もう一つの兵器の販売場所であった。結構おいしいけど。

もう一つの兵器(極小)

その後、色んな彫刻のある公園で、夕方のジャズフェスティバルがやっていたので、そこに行ってみた。みんな噴水を囲んで座り、ジャズの生演奏を聴きながら、サングリアやビールを飲んでゆっくり時を過ごしていた。西日が異常に暑かったことと、サングリアが全く甘くなかったのが残念だったが、まあいい時間だったと思う。

連邦議会にかかる虹

翌日は午後3時のバスでNYに戻ることになっていた。なので、行く場所をスミソニアン博物館に絞った。ここも高校時代に来たことがあるのだが、全く記憶にない。輝かしい(?)歴史を持つ宇宙開発や軍隊に関わる物品が展示されていた。核兵器についても説明があった。"Ultimate Weapon"と書いてある。よく見ると、ロッキード・マーティンやボーイングといった兵器製造会社の名前があるのだが、これらの企業がスポンサーになっているのかもしれない。軍産複合体を思い出した。一方、プラネタリウムを利用したブラックホールの秘密についてのアトラクション等々、興味深いものもあった。「何だよー、プラネタリウムかよー」と最初はがっかりしていたのだが、この点はさすがアメリカという感じで、素晴らしい映像技術でもって、楽しませてくれた。

チャイナタウンで、安いがあんまり美味しくない昼食をとった後、NY行きのバスに乗り込んだ。意外にもバスが埋め尽くされる程の乗客がいたが、乗客のほとんどはアフリカ系アメリカ人だった。発車ぎりぎりに行った我々は、地獄のトイレのすぐ近くに座る羽目になった。おまけにこのトイレ、ドアが閉まらない。バスが曲がる度に、ギーと音を立て、ドアが開き、中の落書きと便器が見える。ものすごいストレスである。最終的にコインを使って外側から鍵をかけるという荒業でこれを乗り切ったのだが、乗客がトイレを使用する度に、自分がコインでトイレを開けてあげなくてはならない。トイレの門番状態になってしまった。

バスは途中、フィラデルフィアに立ち寄った。ただでさえ治安の悪さで有名なこの都市であるが、丁度黒くどんよりとした雲が街を覆っていて、さながら暗黒都市のように見えた。やがてものすごい雨が降り出した。しかしチャイナバスの運転手は極力スピードを出して運転をするので、相当怖かった。

5時間バスに乗り、NYに着いた。NYで夕食を取れる時間は実はあまりないので、この日も学校の友達のおススメのレストランに行った。Smith & Wollenskyというステーキハウス(http://www.smithandwollenskysteakhouses.com/index.htm)。中に入ってから気付いたのだが、みんな襟付きの服を着ている…。「え?こんなところなの?あのやろー…こんなところ紹介しやがって…」友達は、NYで弁護士をやっていたから、たくさん金を持っているのだろう。でも我々は違う…スペインでは毎日の食費を二人で5ユーロ程度に抑えて生きているのだ…。結局Tシャツに短パンのまま、それでも荷物をクロークに預けてしまって引き返しづらい。「ええい、昨晩は嫁と大喧嘩をして、夕飯を何も食べていないので、これで相殺だ!」と言い聞かせ、意を決し、ここで食事をすることにした。まあ…味はそこそこかな…そこまで強いインパクトはなかったかな…サイズ以外は…。

肉!!

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