2009年5月25日月曜日

Change in Action

International MBAには、ソフトスキルを高めるためのプログラムが組み込まれていることはブログで何度か書いたのだが、第二タームと第三タームの間に、Change in Actionという最後のプログラムに参加した。

このプログラムは、エネルギー問題に焦点を当てている。その現状を知り、最終的にスペインの大手企業が抱えるエネルギーに関係した問題に対し、IEの学生が解決策を提案するというものである。自分にとっては、このMBAコースで初めての企業に対し提案を行う機会となった。

エネルギー問題の現状把握は、各専門家や企業によるプレゼンテーション、環境問題の映画上映、企業訪問などを通して行われた。その過程で、有名なシェルのシナリオ分析なども勉強するわけである。自分が訪問した企業は、UNION FENOSAというスペインの大手電力会社である。丁度このプログラムの自分のグループのクライアント企業がgasNaturalというガス・電力会社であり、このUNION FENOSAの株式を取得、傘下に収めていたため、好都合であった。日本人の同期学生で同じく電力会社に勤務している彼の話によれば、スペインの電力技術というのは、世界でも指折りのものらしい。このUNION FENOSAの時価総額も4兆円ほどあるということである。正直スペインで技術的なものに関心をもつ機会は少ないが、電力でそこまで競争力があるとは知らなかった。

さて、このgasNaturalという会社からの依頼が、以下をプレゼンテーションするものであった。

1.同グループの戦略として、Renewable energy(再生可能エネルギー)をどのような位置づけとすべきか
2.拡大する場合は具体的にどのエネルギーに注力すべきか
3.同グループの中期計画最終年である2012年までの具体的な目標設定

参考文献として、PDFファイルが12個も渡された。しかもその内の一つだけで、200ページのレポートであったり、やたらと専門的な再生可能エネルギーインフラの技術的説明書であったり(風力発電のタービンの仕組みが書いてあったりする)、おいおい…という感じであった。

我々のチームは所帯持ちが多く、みんなだらだらと集まってやるのが嫌いなので、自宅で詳細を詰めて、みんなで集まった時に各人のリサーチを元に一つの完成物を作ろう、ということになった。だが、実際に話し合うとなかなか収集がつかず、プレゼンの前日に何時間も費やしたものの、結局中途半端な状態でプレゼン当日を迎えることとなった。

だが当日は意外なことが起こった。我々のプレゼンが一番優れているとgasNatural側に判断されたのである。このプログラムの規定上、企業側に最優秀であると認められたチームは成績でDistinctionが与えられる。棚から牡丹餅である。チームメートの誰もがあっけにとられた感じで、あははと笑っていた。各企業に最優秀に選ばれたチームは、決勝ラウンドとして、外部の大きな講堂で、全IMBAの学生、そして各企業のエグゼクティブ達の前でプレゼンをすることになっていた。狐につままれる感じの中、我がチームはそこでもプレゼンを行った。優勝したのはスペイン語コースの学生達であったが、スペイン語でのプレゼンだったので、何を言っているのか全く分からなかった。

IE Business Schoolとしては、相当金を使ったプログラムだったのではないかと思う。トピックがエネルギー・環境問題だったということもあり、自分としてはなかなか面白いプログラムだった。

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