2009年8月14日金曜日

夏休み旅行 ~アイスランド~

アイスランドについては一回で、長めに書くことにする。

アイスランドという国は、名前を聞いたことがあったが、それが果たしてどんな国なのか、南極大陸みたいなところなんではないのか、等などかなり間違った想像をしていた。(これは恥ずべきことである…)ところが、昨年のサブプライムローンに端を発した金融危機で、アイスランドが破綻をしかけているということを知り、初めて、きちんと経済活動がなされている国なんだ、ということを知った。欧州は遠いのである。(言い訳)

実際に行ってみて、驚いたことがたくさんあった。まず到着したケフラビーク空港だが、ここはとても立派な空港である。数々の免税店、食事処があり、思ったより多くの人々で賑わっている。後から知ったのだが、ここは北米と欧州の中間地点ということで、重要なハブとして使用されているらしい。

ケフラビーク空港

ケフラビーク空港から首都レイキャビークまではバスで40~50分程度かかる。人口32万人の国の首都なので、ラオスの首都であるビエンチャンくらいのところを想像していたのだが、全く違った。結構な高さのオフィスビルやマンションがある。ケンタッキーが何故か多く、マクドナルドもきちんとある。コンビニやSubwayが一緒になった綺麗なガソリンスタンドやショッピングモールもある。世界4大会計事務所の一つであるKPMGが事務所を構えているのも発見、海外からの投資もかなりあるとは聞いていたが、それは事実なのだ、ということを感じた。

アイスランドは思ったより寒くなかった。首都レイキャビークは北緯64度。調べてみたら、メキシコ湾暖流のおかげで同じ緯度の場所と比べても比較的暖かい場所らしい。長袖は必要であることに変わりはないが、時折半袖で過ごすこともできるくらいである。

アイスランドで特筆すべきは、エネルギー政策であろう。2050年までにエネルギー独立国となることを目指しているだけあって、長期的な視野に立ち、今から様々な取り組みが行われている。既に、石油といった枯渇性エネルギーの輸入は若干あるものの、大部分のエネルギーを再生可能エネルギーでまかなっている。例えば家庭用の電力では地熱発電が大きな役割を果たしている。火山島であるアイスランドの地形を活かしているわけである。また、水素燃料ステーションも一部のガソリンスタンドに設置されている。さらに興味深いのは、アイスランドにはSustainabilityに特化したプロフェッショナルスクールがあることである。国立アイスランド大学とレイキャビーク大学の両校の協力で設立されたReykjavic Energy Graduate School of Sustainable Systemsはその一例である。どこの国もそうだが、特にアイスランドの様な小国にとっては、外交上エネルギー供給問題をカードにされてはたまらないわけである。この国はその問題をこうした国全体を挙げた取り組みで克服しようとしている。国の規模を考えればそのまま日本が真似をすることは難しいかもしれないが、そこには何かしらのヒントがあるのではないかと感じる。

地熱発電所

ここまでアイスランドについていくらか書いてきたが、ここに来た目的はその大自然を満喫することである。スイス、ノルウェーと既に自然を満喫してきたのだが、このアイスランドには何か違ったものがあるのではないか、という期待を抱いてやってきたのだ。

初日、南アイスランドの代表的自然スポットであるゴールデンサークルツアーに参加。最初はグトルフォスの滝。アイスランドにはいくつか滝があるし、フロム鉄道でも観たのだが、今回のものが一番迫力のある滝であった。近くによるとものすごい水しぶきでカメラがびしょびしょになってしまう。その次は、間欠泉。ストロックール間欠泉。5分から10分くらいの間隔で、熱湯が地面から噴き出すのである。観光客は「おお、そろそろ噴き出すぞ」とざわめき、いざ熱湯が噴射されると「おおー!」と歓声をあげる。みんな一回では飽き足らず、同じ場所に立ち、何回も熱湯が噴き出す瞬間を見たがっていた。最後は、シングヴェトリル国立公園。ここは世界遺産に指定されており、北アメリカ大陸プレートとユーラシア大陸プレート間の割れ目が見える。それを聞いた時、何だかすごいところに来てしまったなあ、と深く感じ入った。さらにここは、世界最古の議会があった場所とも言われていて、人間の歴史にとっても重要な場所らしい。

グトルフォスの滝

ストロックール間欠泉

シングヴェトリル国立公園

二日目は、アイスランド第二の都市、アークレイリに向かった。ここでは最初にゴーザフォスの滝を観た。また滝。でもこれもまたすごい迫力。こっちは滝がいちいちすごい。だがその後のプセウドクレーターというところが見どころであろう。いくつものクレーターが集中している場所である。クレーターをみていると、何だがもうそこは地球ではないような気分になってきた。その後に行ったミーヴァートン湖湖畔。ここはいつナメック星人が出てくるかわからないような雰囲気である。向こうの方からフリーザがやってこないか心配になるくらいだ。その後はグリョウタギャウという洞窟温泉。地球の割れ目のそこから温泉が湧いている、何やら神秘的な光景であった。長い1日の最後は、ナウマファットル。茶色いはげ山のふもとですさまじい勢いで蒸気が噴き出している。硫黄のにおいがかなりきつい場所である。噴き出している蒸気の中に入りたい衝動を抑えきれずに、入って行ったら、他の外国人観光客にシラけた眼で見られてしまった…。ところで、この二日目は面白いことが起こった。帰りのバスの休憩所で、イスラエル人の女性とたまたま席が一緒になった。彼女はイスラエル、そして自分の家族の話をし、自分の娘は今軍隊で兵役中であるとのことだった。イスラエルは女性にも兵役の義務がある。彼女はイスラエルでの緊張した日々を克明に語った。すると、バスで一緒だった別の観光客が話に割って入ってきた。政治に関心があるらしい。彼らはセルビア人とオランダ人だった。さらにイスラエル人女性の友達のアイスランド人も入ってきた。これに日本人の我々を加えて、あっという間に国際政治問題ディスカッションが始まってしまった。日本の政治についてもかなり知識が薄い自分なので、欧州や中東の政治問題はよくわからない…恥ずかしいことだが…。でも逆に彼らもアジア情勢にそれほど詳しいようではないので、そこで議論に入ることが出来たのだが…。たとえ詳細でなくとも、基本的な世界政治情勢は勉強しておかなくては…ということを改めて痛感させられた。というのも、MBAコースにに在籍していて、たとえ専門性はあるにせよビジネス以外のこと、例えば政治などにもきちんとアンテナを張っていなければならないと思い知っていたのだ…。いずれにしても夏休みでボケボケになっていた自分には大変良い刺激になった。


アイスランド第二の都市 アークレイリ

ゴーザフォスの滝

クレーター。べジータのポッドが着地した跡のようである。

ミーヴァートン湖湖畔
むこうからでっけえ気がやってくっぞ!!

洞窟温泉

今度は妖怪道中記

三日目を一番楽しみにしていた。そう、念願のスノーモービルに初挑戦!こんな真夏であるが、さすがにアイスランドの山の上には1年中雪がある。700年前の氷が依然として残っているような場所なのである。山の急斜面を走るみたこともない乗り物にのり、スノーモービルのある場所へ。幸か不幸かものすごい吹雪の日で、かなり迫力のある展開になっていた。ツアー客全員が、宇宙服のような出で立ちをしている。いざ出発、というところで、原付に慣れていた自分は、直前にアクセルの方法を教えてもらったにも関わらず、ハンドルを何度もひねってしまうという始末であり、インストラクターは少し呆れていたようだ。ところで、スノーモービルというものは、思ったように動くものだと思っていたのだが、それは大きな間違いであった。スロープに足を取られるのは勿論のこと、激しい横風のためにすぐにバランスが崩れてしまう。なので体全体を使って体重移動をしなければならない、かなりしんどい乗り物であった。吹雪というかヒョウが降っていて、これが顔面をマシンガンみたいに打つので痛くてしょうがないし、眼をあけることもできない。しかし悪天候のせいでほとんど前が見えないので、前を進むスノーモービルのバックライトを見失ってはなるまいと、スピードを緩めるわけにもいかない。色んな事を同時に考え、いろんな動作を同時にしなければならない。しばらくすると、前の方でスノーモービルがひっくり返っている。誰かが横転したんだろう。無理もない、おそらく日本だったらこの天候だったら間違いなくツアーは中止だろう。しかしここでは実行するのである。ひっくり返ったツアー客の体制が整うまで、全てのツアー客は隊列を成して吹雪の中泊まっていた。すると嫁が吹雪の向こうに何かを見つけた。「…あれ狼じゃない?」え!?確かに何か動物のような黒い影がこちらを伺っている…かなりの数のようだが…バスから眺める穏やかな牛や、羊、ヤギとはどうみても違うようだ…。キツネだと信じたかった。が、オオカミは賢いので、様子を伺うというではないか…。ちょっと、早く進んでくれませんか、インストラクターさん…?緊迫した状態はしばらく続いたが、なんとか黒い影がこちらに近づいてくる前にツアー隊は出発することが出来た。守られていない環境でのツアーということで、かなりエキサイティングだったが、予想をはるかに上回る素晴らしい経験だった。


はるか山奥の雪原に向かう

悪天候の中きっちりと並べられたスノーモービル

急がねば置いていかれてしまう

四日目、この日の午前中はホエールウォッチングに行った。チケットカウンターで酔い止めをもらい、船に乗り込む。船が港を出るとすぐに、パフィンという鳥が集まっている小島に着いた。このパフィンはアイスランドの名物的な鳥であり、たれ目のちょっと変わった顔をしており、くちばしにも特徴がある。クジラはどうせ見られないだろうと諦めていたので、パフィンに集中してみていた。そのうち、船はクジラの出現しそうな場所に海上停泊した。クジラを発見すると、アナウンスされる。「12時の方向を見てください」「1時と2時の間で約60メートル先です!」わかるかと!!どうやって海上で60メートルを見極めるのかと!ただでさえクジラは海とほとんど同じ色をしている上に、波があるので極めて分かりにくいのだ。どうやらアナウンスによると、クジラは何度か海上に姿を現したらしい。アナウンスの度に、他の客みんなが息をのんで海上を凝視する。船上は沈黙に包まれる…そして…ついに見えた!背びれだけ、確かにクジラが見えた!多分5回くらいクジラをみることが出来たと思う。全て背びれだけだけど…。それでも初めから期待していなかったので、とても満足できた。

パフィン(注:自分で撮影したものではありません)

アイスランド最後の目的地は、ブルーラグーンという温水プールみたいな露天風呂である。多くの環境客が、ここで旅の疲れを癒し、そのまま空港に向かい帰路に発つ。我々は一旦レイキャビークに戻ることになっていたのだが。この時は雨が降っていて、外はとにかく寒かった。だから、温泉にはいってゆっくり体を温めたい…つ…冷たい!場所によっては、かなりぬるくて、外の寒さを防ぎきれない!おまけに何故か地面がぬるぬるしていた気持ちが悪い…。このぬるぬるは何なのか、怖くて手にとってみることは出来なかった。ここでは、真っ白な泥が置いてあって、これを体に塗ると保湿成分やら何やらで大変体に良いらしく、みんなこぞって体に塗っていた。乾くとパックみたいになるので、おばけみたいなおばちゃんが結構いた。西洋人にとってはこうした風呂は珍しいかもしれないが、日本人にとっては日本の温泉の方がいいと思う。ああ、日本の温泉でじっくり温まりたい。

こうして、アイスランドでの全日程を終了した。とても満足しており、自分の中でアイスランドは大のお気に入りになった。その偉大さ故、今ではアイスランド、そして首都レイキャビークのことを「大アイスランド」「大レイキャビーク」と呼んでいる。

大レイキャビークの歩道

翌日、大レイキャビークを後にし、トランジットのためロンドンへ。時間があったので5時間くらいロンドンをふらふらした後、マドリッドに戻った。マドリッドは暑い…そして…人々が明るい…太陽がある!

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Steve Fisher さんのコメント...

ブログスポンサー提案

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