2009年8月31日月曜日

夏休み旅行 ~アメリカ合衆国 ニューヨーク① 到着~

昨晩暗闇に包まれていたCanning Townは朝になって陽が昇ると、全く違う表情を見せていた。こちらの国々は、日中と夜で本当に雰囲気ががらっと変わってしまう。Canning Town駅からLondon City Airportまでの電車には、ビジネスマン旅行客がたくさんいた。さすがビジネスマンのために作られた空港である。実際、出国手続きを済ませた後の空港の中は、インターネットがフリーで使用でき、他の空港に比べて若干高級感があった。

これからロンドン→ジュネーブ→ニューヨークと飛行機に乗るわけだが、今回はSwiss International。この留学生活で最も贅沢な航空会社ということでとても楽しみだった。Swiss InternationalはどうやらAirBusが主たる機体のようであり、またエコノミークラスであっても、ジャンボの場合、一列に席が2、4、2の計8席しかない。このため、横幅に大分余裕があるので大分快適なのである。

ジュネーブでのトランジットの時間はわずか30分程度。大急ぎで乗り換え、飛行機はついにジュネーブを発った。この飛行機を降りたら、次はニューヨークなのだ。ニューヨークなんて日本人にはあまり珍しくないだろうし、結構な数の人間が既に行っていると思う。しかし我々が大いに期待し、ウキウキ気分だった。いくつか理由がある。まず、美味いものを多種、食べられることである。出発前にIEの友達にニューヨークのおいしいレストランについてたくさんの情報をもらった。マドリッドは食べ物が、これでもか、というくらいまずいので、美味しいものに飢えていたのである。ノルウェーのご飯もおいしかったのだが、滞在期間が短いため、わずかしか堪能出来なかった。もう一つの理由として、圧倒的な大都会での刺激である。東京で過ごしてきた自分にとって、欧州の都市はロンドン以外は正直退屈である。のんびり暮らすのもいいが、それだけではやはり辛い。さらにもう一つの理由として、世界中に金融危機を引き起こした本拠地をみたい、という好奇心が挙げられる。

8時間くらい飛んで、飛行機はジョン・F・ケネディ空港に到着した。空港を降りると、本当に様々な人種でごった返していた。この段階で欧州にはない危うい感じとドキドキ感が入り混じった気持ちに包まれた。空港からマンハッタン島には、Air Train JFKと地下鉄を利用することにした。このAir Train JFKは新しいのか綺麗な乗り物であった。遠くの方にうっすらとマンハッタン島の高層ビル群が見える。まるで蜃気楼のようだ。最終的に地下鉄のA lineに乗り換えるため、Howard Beach駅で降りた。何となく暗い雰囲気の駅だった。しばらくすると、噂のニューヨーク地下鉄がやってきた。予想していたより落書きが少ない。乗車客は皆黒人だった。この列車は急行だったので、途中いくつかの駅を通過していったが、それらのプラットホームをみると、圧倒的な汚さで、とても女性一人では立っていられないような雰囲気のものがたくさんあった。やがて地下鉄はマンハッタン島に入り、乗客が増えてきた。我々は34th Street駅で降りた。外に出ると、ニューヨークの街並みが。首が痛くなるほどに高いビルが面白いくらいに並んでいる。空がものすごく狭い。そして暑い。臭気。人、人、人。想像する西洋国とはまるで違う。アジアの大都市のようである。アジア好きの嫁も大喜びだった。

Howard Beach駅

初めてみるエンパイアステートビル

ミッドタウンにあるホテルまでは歩いて行った。ホテルはKorean Streetより一つ下の通りにあった。狭く、暗いホテル。欧州で宿泊してきたゲストハウスとはまるで違う。これもまたニューヨークの現実なんだろう。

この日の夕食は、IEの友達におしえてもらった寿司屋。「Sushi of Gari」というところである(http://www.sushiofgari.com/)。驚愕のうまさだった…間違いなくこんなうまい寿司は東京を発って以来食べていない…いや、東京でも食べたことがあるだろうか。創作寿司なので、純粋な江戸前寿司屋とは違うのだが、文句なしの味である。店員はみんな日本人であったと思う。金を持っていそうな日本人が結構来店していた。確かに、値段はバカ高い…ここまで高いとは知らずに入ってしまったが、後に引けなかった…それに絶対にうまい寿司を食うんだ!とヤケになっていたこともあった。ちなみに二人で20,000円以上…イギリスでは何回か夕食を食べなかったりと、節約しておいたので、まあよしとしよう…。

うますぎる寿司

相当の好印象のニューヨーク1日目がこうして終わった。

夏休み旅行 ~グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国 ヨーク、バース、ブリストル~

湖水地方を夜9時に出発し、ヨークに向かった。電車はランカスター、マンチェスターを経由、そして懐かしのリーズにも停車した。これにはちょっと興奮した。夜中で真っ暗だったので、リーズの様子は全くわからなかったのだが、駅舎をみることはできた。昨年もこの駅からヨークに行ったことを思い出す。まさかその1年後に再びヨークに向かうことになるとは思わなかった。

夜中の1時20分頃ヨークに到着。見覚えのある駅である。そしてゲストハウスへ。ここのゲストハウスは気の利いたところで、翌日はきっちりとした朝ごはんが出た。おかげでとても気持ちよく出発することが出来た。駅に荷物を預けて街中を回る。昨年来たのでもう回り切ってしまったと思っていたのだが、意外に奥が深い街だった。イギリスでは珍しく気持ちの悪い晴天であり、それがヨークの街並みを余計に素敵に映し出していた。相変わらずヨークの寺院は大きく、荘厳であった。

ヨークの街並み

今回も一つの街にゆっくりできる旅ではなく、ヨーク滞在はほんの16時間程度。夕方の電車で今度はバースへ向かった。到着した日はもう夜遅く、その日の宿泊場所へ直行。この日の宿泊先はそう、ユースホステル。この年齢でまだユースホステルか…さすがにこれには大分気持ちが沈んだ。宿泊客は学生みたいなのが多い。ここに楽しみは何もないと、即就寝。

翌日はバースとブリストルの両方を観て回ることになっていた。1日に2都市。両都市は電車で15分くらいの近いところにある故に可能な業である。バースは街自体が世界遺産になっており、大変美しい街並みである。イギリスを鉄道で旅をしていると、何故か建物やその屋根まで暗い色をしていて、どんよりさを助長していたのだが、バースは違う雰囲気を出していた。なんだかフランスみたいだった気がする。次はブリストル。長い坂道に商店が連なっているところがあって、ここはなかなかいい雰囲気を出している。そこでたまたま入ったカフェがおいしいハンバーガーを出してくれたところであり、ますます好印象をもった。ところで、気のせいかもしれないが、ブリストルの人の英語は比較的聞き取りやすかった気がする。


バースの街並み

電撃的に、そして極めて表面的に街を周遊し、またもや夕方の電車で、今度はロンドンに戻った。この日は「Holiday Inn Express」というまあ誰でも知っている安いホテルが宿泊先であった。ところがこのホテルが、Google Mapの示すところに存在しない。Google Mapが示すところは真っ暗なところで、ちょっと奥はかなりやばい雰囲気が漂っている。このホテルがある場所は、Canning Townという駅で、London City Airportに行く際に通過する駅なのであるが、後から調べてみるとこの地域は貧困度合と犯罪率が相当高いらしい。確かに極めて迫力のある場所であった。

Canning Townのちょっと向こうでは、Citiなどの高層ビルが闇夜の中でたくさんの光を照らしていた。どうしようもない現実がそこにあるのだと知った。

2009年8月29日土曜日

夏休み旅行 ~グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国 湖水地方~

翌日の早朝、ユーストン駅から湖水地方の玄関口であるウィンダミアに向かった。ユーストン駅からはVirgin社のVirgin Trainに乗った。綺麗な車両だった。以前キングスクロス駅からリーズに向かった時に使った車両とは違うような…。確かあの時はNational Expressだった。綺麗だからずっとVirgin Trainだったらいいなあと思った。しかし後から気付いたのだがイギリスの鉄道は、様々な鉄道会社が同じ線路と同じプラットホームを使っているようだ。よって、路線によっては全然違う鉄道会社を使うことになる。この後二度とVirgin Trainを使うことはなかった…。

電車はウィンダミアに到着した。さ…寒い。8月ド真ん中だが、もうイギリスは寒いのだ。アイスランドも寒かったけど、イギリスも寒い。さて、ウィンダミアは小店が可愛く並んだ小さな街(村?)だった。お土産屋やカフェが並んでいる。観光客がたくさんいる。すぐに繁華街を一周してしまったので、ウィンダミアからちょっと南下したところにあるボウネスまで徒歩で歩いた。この街から街までの間は、リーズの市街地から学校のフラットまでのバス通りを彷彿とさせるものであり、懐かしい思いに浸ることが出来た。

ボウネスは、ウィンダミアよりも活況を呈していた。湖に面していて、観光用ボートが並んでおり、より多くの観光客で賑わっていた。何だか河口湖か山中湖みたいだった。人慣れした白鳥が、餌を求めて観光客に近づき、観光客は面白がってどんどん餌をあげていた。ここにはピーターラビット博物館がある。大部分の客は日本人のようであり、ご丁寧に日本語ツアーまで用意してあった。中は、かなり充実していて、ディズニーのアトラクションのようである。


余裕で人に近づく白鳥

ボウネスの街並み

次の日、夜9時にヨーク行きの電車に乗ることになっていたので、丸一日湖水地方で過ごすことが出来ることになっていた。とはいっても全く何の予定も立てていなかったので、近隣のケズィック、ケンダルを巡ることにした。ケズィックは…特に何もなかった…街の中心をふらふらした後、マクドナルドに行った。特に変わり映えのないマクドナルドだった。ただ小さな街ではあるが、マクドナルドとか一通りの店が揃っているのはさすがイギリスだと思った。

ケンダルは人口も数万人規模ということで、結構大きな街だった。マクドナルドは当然あるが、その他にもパターゴルフがあったり、無数のアウトドア用品のアウトレットショップがあったり…うむむ、街の規模を表現するのが難しい…。

ケンダルの湖

湖水地方に来る前は、大アイスランドのような大自然をイメージしていた。湖水地方は確かに自然満載なのだが、よりコンパクトにまとまった自然、という感じである。自然と街がちょうどよく調和している感じ。湖はボートやヨットを楽しむ、といった金持ち道楽的な要素を満たすための存在であるようだ。やっぱり、富士五湖のようなイメージだった。

夏休み旅行 ~グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国 ロンドン~

スイス、ノルウェー、そして大アイスランドから帰国し、1週間ほどマドリッドで過ごしたが、再び旅行に出かけた。今度は、グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国とアメリカ合衆国である。

どうでもいいが、グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国という長い名前がどうしてイギリスという4文字になったのかわからない。

マドリッドからロンドンへはお決まりのRyanairを利用した。easyJet同様、大嫌いな航空会社だが、安いので仕方なく使用している。今回到着したのはロンドンスタンステッド空港。ロンドンから大分離れたところにあり、もはや所在地はロンドンではない。宿泊地は今回もゲストハウスである。ここに荷物を置いた後、会社のロンドン店に1年ぶりの挨拶に行った。

会社に着くと、一気に留学気分が吹っ飛び、会社員時代を思い出した(一応今も会社員だけど)。自分の顔が、全く違う表情になったのがよくわかる。ロンドン店の店長としばしの会話。会話の内容は当然忘れかけていた学校の勉強の内容や、仕事の内容となるため、ゆるゆるだった脳みそをフル回転させる必要があった。ところで、海外店のオフィスは本当に広々としていて羨ましい。大きなスペースに大きな机。より権限の強い東京本社がまるで収容所のように感じられた。

その後、東京で隣の部に所属していた先輩と現地社員の方と一緒に日本食レストランに行った。店員がすべて日本人で、本格的な日本食が出てきた。何より驚いたのは店員がきちんとお辞儀をしている!マドリッドに暮らしていて、日本食レストランとは何かをすっかり忘れていた事に気がついた。マドリッドにも日本人レストランがあるが、そのほとんどは中国人が経営しているし、日本人がやっているレストランの場合も、長く競争から離れているためなのか、ひどいクオリティの料理を出す挙句、態度も横柄で極めて不快な思いをしたことがあった。

その後、ロンドンに留学をしている大学時代の後輩と久々に再会、ロンドンを案内してもらった。ロンドンのおいしいケーキ屋、そして韓国料理屋に連れて行ってもらったり、ロンドンのショッピングストリートを案内してもらった。この韓国料理屋もとてもうまかった。彼女はロンドンをとことん楽しんでいるようだったが、自分もやはりロンドンは楽しい街だなあ、とつくづく思った。この留学に来て以降、様々な都市をみてきたが、やはりロンドンは食、芸術、娯楽、ビジネス、何から何まで揃っている大都市なのだということを痛感した。都市にはそれぞれ特徴的な性質があるので、勿論優劣はつけられないのだが、純ドメスティックであり、ずっと東京に住んでいた自分(埼玉と千葉だけど)としては、ロンドンのような大都市が慣れ親しんだ環境なのだと思った。


ゲイショーらしき場所

ロンドン滞在はたったの一日で、次の日は湖水地方に向かう。

2009年8月14日金曜日

夏休み旅行 ~アイスランド~

アイスランドについては一回で、長めに書くことにする。

アイスランドという国は、名前を聞いたことがあったが、それが果たしてどんな国なのか、南極大陸みたいなところなんではないのか、等などかなり間違った想像をしていた。(これは恥ずべきことである…)ところが、昨年のサブプライムローンに端を発した金融危機で、アイスランドが破綻をしかけているということを知り、初めて、きちんと経済活動がなされている国なんだ、ということを知った。欧州は遠いのである。(言い訳)

実際に行ってみて、驚いたことがたくさんあった。まず到着したケフラビーク空港だが、ここはとても立派な空港である。数々の免税店、食事処があり、思ったより多くの人々で賑わっている。後から知ったのだが、ここは北米と欧州の中間地点ということで、重要なハブとして使用されているらしい。

ケフラビーク空港

ケフラビーク空港から首都レイキャビークまではバスで40~50分程度かかる。人口32万人の国の首都なので、ラオスの首都であるビエンチャンくらいのところを想像していたのだが、全く違った。結構な高さのオフィスビルやマンションがある。ケンタッキーが何故か多く、マクドナルドもきちんとある。コンビニやSubwayが一緒になった綺麗なガソリンスタンドやショッピングモールもある。世界4大会計事務所の一つであるKPMGが事務所を構えているのも発見、海外からの投資もかなりあるとは聞いていたが、それは事実なのだ、ということを感じた。

アイスランドは思ったより寒くなかった。首都レイキャビークは北緯64度。調べてみたら、メキシコ湾暖流のおかげで同じ緯度の場所と比べても比較的暖かい場所らしい。長袖は必要であることに変わりはないが、時折半袖で過ごすこともできるくらいである。

アイスランドで特筆すべきは、エネルギー政策であろう。2050年までにエネルギー独立国となることを目指しているだけあって、長期的な視野に立ち、今から様々な取り組みが行われている。既に、石油といった枯渇性エネルギーの輸入は若干あるものの、大部分のエネルギーを再生可能エネルギーでまかなっている。例えば家庭用の電力では地熱発電が大きな役割を果たしている。火山島であるアイスランドの地形を活かしているわけである。また、水素燃料ステーションも一部のガソリンスタンドに設置されている。さらに興味深いのは、アイスランドにはSustainabilityに特化したプロフェッショナルスクールがあることである。国立アイスランド大学とレイキャビーク大学の両校の協力で設立されたReykjavic Energy Graduate School of Sustainable Systemsはその一例である。どこの国もそうだが、特にアイスランドの様な小国にとっては、外交上エネルギー供給問題をカードにされてはたまらないわけである。この国はその問題をこうした国全体を挙げた取り組みで克服しようとしている。国の規模を考えればそのまま日本が真似をすることは難しいかもしれないが、そこには何かしらのヒントがあるのではないかと感じる。

地熱発電所

ここまでアイスランドについていくらか書いてきたが、ここに来た目的はその大自然を満喫することである。スイス、ノルウェーと既に自然を満喫してきたのだが、このアイスランドには何か違ったものがあるのではないか、という期待を抱いてやってきたのだ。

初日、南アイスランドの代表的自然スポットであるゴールデンサークルツアーに参加。最初はグトルフォスの滝。アイスランドにはいくつか滝があるし、フロム鉄道でも観たのだが、今回のものが一番迫力のある滝であった。近くによるとものすごい水しぶきでカメラがびしょびしょになってしまう。その次は、間欠泉。ストロックール間欠泉。5分から10分くらいの間隔で、熱湯が地面から噴き出すのである。観光客は「おお、そろそろ噴き出すぞ」とざわめき、いざ熱湯が噴射されると「おおー!」と歓声をあげる。みんな一回では飽き足らず、同じ場所に立ち、何回も熱湯が噴き出す瞬間を見たがっていた。最後は、シングヴェトリル国立公園。ここは世界遺産に指定されており、北アメリカ大陸プレートとユーラシア大陸プレート間の割れ目が見える。それを聞いた時、何だかすごいところに来てしまったなあ、と深く感じ入った。さらにここは、世界最古の議会があった場所とも言われていて、人間の歴史にとっても重要な場所らしい。

グトルフォスの滝

ストロックール間欠泉

シングヴェトリル国立公園

二日目は、アイスランド第二の都市、アークレイリに向かった。ここでは最初にゴーザフォスの滝を観た。また滝。でもこれもまたすごい迫力。こっちは滝がいちいちすごい。だがその後のプセウドクレーターというところが見どころであろう。いくつものクレーターが集中している場所である。クレーターをみていると、何だがもうそこは地球ではないような気分になってきた。その後に行ったミーヴァートン湖湖畔。ここはいつナメック星人が出てくるかわからないような雰囲気である。向こうの方からフリーザがやってこないか心配になるくらいだ。その後はグリョウタギャウという洞窟温泉。地球の割れ目のそこから温泉が湧いている、何やら神秘的な光景であった。長い1日の最後は、ナウマファットル。茶色いはげ山のふもとですさまじい勢いで蒸気が噴き出している。硫黄のにおいがかなりきつい場所である。噴き出している蒸気の中に入りたい衝動を抑えきれずに、入って行ったら、他の外国人観光客にシラけた眼で見られてしまった…。ところで、この二日目は面白いことが起こった。帰りのバスの休憩所で、イスラエル人の女性とたまたま席が一緒になった。彼女はイスラエル、そして自分の家族の話をし、自分の娘は今軍隊で兵役中であるとのことだった。イスラエルは女性にも兵役の義務がある。彼女はイスラエルでの緊張した日々を克明に語った。すると、バスで一緒だった別の観光客が話に割って入ってきた。政治に関心があるらしい。彼らはセルビア人とオランダ人だった。さらにイスラエル人女性の友達のアイスランド人も入ってきた。これに日本人の我々を加えて、あっという間に国際政治問題ディスカッションが始まってしまった。日本の政治についてもかなり知識が薄い自分なので、欧州や中東の政治問題はよくわからない…恥ずかしいことだが…。でも逆に彼らもアジア情勢にそれほど詳しいようではないので、そこで議論に入ることが出来たのだが…。たとえ詳細でなくとも、基本的な世界政治情勢は勉強しておかなくては…ということを改めて痛感させられた。というのも、MBAコースにに在籍していて、たとえ専門性はあるにせよビジネス以外のこと、例えば政治などにもきちんとアンテナを張っていなければならないと思い知っていたのだ…。いずれにしても夏休みでボケボケになっていた自分には大変良い刺激になった。


アイスランド第二の都市 アークレイリ

ゴーザフォスの滝

クレーター。べジータのポッドが着地した跡のようである。

ミーヴァートン湖湖畔
むこうからでっけえ気がやってくっぞ!!

洞窟温泉

今度は妖怪道中記

三日目を一番楽しみにしていた。そう、念願のスノーモービルに初挑戦!こんな真夏であるが、さすがにアイスランドの山の上には1年中雪がある。700年前の氷が依然として残っているような場所なのである。山の急斜面を走るみたこともない乗り物にのり、スノーモービルのある場所へ。幸か不幸かものすごい吹雪の日で、かなり迫力のある展開になっていた。ツアー客全員が、宇宙服のような出で立ちをしている。いざ出発、というところで、原付に慣れていた自分は、直前にアクセルの方法を教えてもらったにも関わらず、ハンドルを何度もひねってしまうという始末であり、インストラクターは少し呆れていたようだ。ところで、スノーモービルというものは、思ったように動くものだと思っていたのだが、それは大きな間違いであった。スロープに足を取られるのは勿論のこと、激しい横風のためにすぐにバランスが崩れてしまう。なので体全体を使って体重移動をしなければならない、かなりしんどい乗り物であった。吹雪というかヒョウが降っていて、これが顔面をマシンガンみたいに打つので痛くてしょうがないし、眼をあけることもできない。しかし悪天候のせいでほとんど前が見えないので、前を進むスノーモービルのバックライトを見失ってはなるまいと、スピードを緩めるわけにもいかない。色んな事を同時に考え、いろんな動作を同時にしなければならない。しばらくすると、前の方でスノーモービルがひっくり返っている。誰かが横転したんだろう。無理もない、おそらく日本だったらこの天候だったら間違いなくツアーは中止だろう。しかしここでは実行するのである。ひっくり返ったツアー客の体制が整うまで、全てのツアー客は隊列を成して吹雪の中泊まっていた。すると嫁が吹雪の向こうに何かを見つけた。「…あれ狼じゃない?」え!?確かに何か動物のような黒い影がこちらを伺っている…かなりの数のようだが…バスから眺める穏やかな牛や、羊、ヤギとはどうみても違うようだ…。キツネだと信じたかった。が、オオカミは賢いので、様子を伺うというではないか…。ちょっと、早く進んでくれませんか、インストラクターさん…?緊迫した状態はしばらく続いたが、なんとか黒い影がこちらに近づいてくる前にツアー隊は出発することが出来た。守られていない環境でのツアーということで、かなりエキサイティングだったが、予想をはるかに上回る素晴らしい経験だった。


はるか山奥の雪原に向かう

悪天候の中きっちりと並べられたスノーモービル

急がねば置いていかれてしまう

四日目、この日の午前中はホエールウォッチングに行った。チケットカウンターで酔い止めをもらい、船に乗り込む。船が港を出るとすぐに、パフィンという鳥が集まっている小島に着いた。このパフィンはアイスランドの名物的な鳥であり、たれ目のちょっと変わった顔をしており、くちばしにも特徴がある。クジラはどうせ見られないだろうと諦めていたので、パフィンに集中してみていた。そのうち、船はクジラの出現しそうな場所に海上停泊した。クジラを発見すると、アナウンスされる。「12時の方向を見てください」「1時と2時の間で約60メートル先です!」わかるかと!!どうやって海上で60メートルを見極めるのかと!ただでさえクジラは海とほとんど同じ色をしている上に、波があるので極めて分かりにくいのだ。どうやらアナウンスによると、クジラは何度か海上に姿を現したらしい。アナウンスの度に、他の客みんなが息をのんで海上を凝視する。船上は沈黙に包まれる…そして…ついに見えた!背びれだけ、確かにクジラが見えた!多分5回くらいクジラをみることが出来たと思う。全て背びれだけだけど…。それでも初めから期待していなかったので、とても満足できた。

パフィン(注:自分で撮影したものではありません)

アイスランド最後の目的地は、ブルーラグーンという温水プールみたいな露天風呂である。多くの環境客が、ここで旅の疲れを癒し、そのまま空港に向かい帰路に発つ。我々は一旦レイキャビークに戻ることになっていたのだが。この時は雨が降っていて、外はとにかく寒かった。だから、温泉にはいってゆっくり体を温めたい…つ…冷たい!場所によっては、かなりぬるくて、外の寒さを防ぎきれない!おまけに何故か地面がぬるぬるしていた気持ちが悪い…。このぬるぬるは何なのか、怖くて手にとってみることは出来なかった。ここでは、真っ白な泥が置いてあって、これを体に塗ると保湿成分やら何やらで大変体に良いらしく、みんなこぞって体に塗っていた。乾くとパックみたいになるので、おばけみたいなおばちゃんが結構いた。西洋人にとってはこうした風呂は珍しいかもしれないが、日本人にとっては日本の温泉の方がいいと思う。ああ、日本の温泉でじっくり温まりたい。

こうして、アイスランドでの全日程を終了した。とても満足しており、自分の中でアイスランドは大のお気に入りになった。その偉大さ故、今ではアイスランド、そして首都レイキャビークのことを「大アイスランド」「大レイキャビーク」と呼んでいる。

大レイキャビークの歩道

翌日、大レイキャビークを後にし、トランジットのためロンドンへ。時間があったので5時間くらいロンドンをふらふらした後、マドリッドに戻った。マドリッドは暑い…そして…人々が明るい…太陽がある!

2009年8月12日水曜日

夏休み旅行 ~ノルウェー ソグネフィヨルド、ベルゲン~

次の日は、朝からノルウェー国鉄で最も人気のあるといわれるベルゲン急行に乗った。確かに車内はとても綺麗であり、快適であった。何より良かったのが、車窓から眺める景色である。自然といえば、まさにこれ、というような景色がすぐそこにある。この電車で、ミュルダール駅というところまで行った。

ベルゲン急行


ベルゲン急行の車窓から

このミュルダール駅からは、これまた旅行者に大人気のフロム鉄道に乗った。これも雑誌Titleで発見して、前から乗りたかった電車だったのだ。ミュルダール駅は標高1000メートル近いところにあるのだが、フロム鉄道終点フロムは海抜2メートルのところにある。つまりこのフロム鉄道は山を下っていく電車なのである。途中には、ものすごい滝があり、その滝のそばに小屋があって、金髪の女性が音樂に合わせて出てくるというパフォーマンス付きである。ただし、そのパフォーマンスが何なのかはよくわからなかった。というか、みんな滝に夢中で誰もみていなかった気がする。

フロム鉄道が5分ほど停車する滝

フロム鉄道

フロム駅に着くと、今度は船に乗っていよいよフィヨルドを観ることになる。ノルウェーにはいくつものフィヨルドがあり、それぞれ特徴が違うのだが、自分達は、最も規模が大きく、オスロとベルゲンの間にあり移動しながらみることが出来るソグネフィヨルドに行くことにした。船を出ると、風が強くてものすごく寒いのだが、でこぼこになった谷をみることが出来た。ただ、横から見てもあんまり実感がなく、フィヨルドというものはこういうものなのか、という感じだった。他のフィヨルドに行けば、また違ったものが観られたかもしれない。

でもこの写真からはフィヨルドっぽい風景がうかがえる

5時間の航海を終え、船はノルウェー第二の都市、ベルゲンに到着した。ベルゲンに対しては特に何も調べていなかったのだが、思いもよらず面白い街であることに気付いた。港には、世界遺産に登録されているカラフルな倉庫群であるブリッゲンがある。木造で今にも崩れそうな倉庫なのだが、大変趣がある。ベルゲンで驚いたのは、このブリッゲンの中にあるレストラン。夜遅くで、空いているレストランが少なく、高そうだが仕方なく入ったのだが、ここのサーモンとカニが絶品!こんなの今まで食べたことがない。海の幸に対する価値観が変わった。(http://www.tokokker.no/tokokker.aspx)

ブリッゲンの一角

さて、ここでもゲストハウス。ここはノルウェーで最も評価の高いゲストハウスらしい。もちろんバスルーム・トイレは共同。部屋は別に悪くないのだが、泊まっている客層にクソガキが多いので、夜大騒ぎをしていた。時間をわきまえず壁をどんどん叩いている。結局、最後にものすごい音がして、その後静まった。思いっきり壁に頭をぶつけて死んでしまったのかもしれない…そう思うほどに急に静かになってしまった。


暗く古いゲストハウスのエレベーター

ほとんど眠ることが出来ないベルゲンであったが、ここはかなり興味をそそられた街。オスロ同様に、あと一日は滞在したかった。

次はいよいよアイスランド。これまたおしゃれなベルゲン空港からオスロ経由で、首都レイキャビークに向かう。

木目調のベルゲン空港

2009年8月11日火曜日

夏休み旅行 ~ノルウェー オスロ~

チューリッヒの空港からは、Air Berlinという航空会社を使ってオスロに発った。この航空会社は、前回ベルリンからミュンヘンまで使用したのだが、かなり印象のいいものだったので、今回も期待をしていた。が、今回は汚い機体だったので、少々残念だった。しかしきちんとオンタイムで離陸、サービスはしっかりしている。

さて、オスロ。ものすごく綺麗な空港に迎えられた。想像通りの北欧のおしゃれなデザインがそこにあった。(だが実際は、北欧4カ国の中でノルウェーはデザインでは遅れているらしいのだが。)最初からとても印象のいい国である。

例によってバスで街の中心に行く。思ったより雑多な感じであった。既成概念にとらわれていた自分としては、想像していた街並みとは違った。なんか柏駅前っていう感じだった。そしてゲストハウス。今回のは、かなり本格的な安物ゲストハウスで、バスルームもバスタブがなく、シャワーを浴びると床中がびしょびしょになってしまった。この年齢になってもまだこんなところに泊まらなければならない自分自身の所得の低さを実感せざるを得なかった…。

そして、昼食である。これ以降、この国の物価の高さに怯えながら過ごすことになる。炭酸水、コーラ、そしてパスタ2皿で400ノルウェークローネ=6200円。一刻も早くこの国から退散をしなければならないと思った。ただ味はおいしい。それだけが救いだった。

6200円の昼食

バカ高い街ではあるが、一日しか滞在しないので、きちんと観光をしなければもったいない。特別行きたいところがあるわけではなかったのだが、世界的名画であるムンクの「叫び」を観に行った。さすが福祉大国=高税金国家なのか、美術館の入館料はタダである。「叫び」について、自分は専門家でもないし深いことは分からないが、暗いなあ~という印象が残った。

ところで、ガイドブックを見てみると、何やら面白そうなものがこのオスロにあることがわかった。ヴィーゲラン公園というものすごくたくさんの彫刻がある公園があるのだが、そこには…


これ!「おこりんぼうの像」があるのである。この迫力に満ちた表情。僕は怒っているんだぞ!というこの力強さ…!これを観ることが出来ただけでも大満足だった。この公園には、他にも様々な彫刻があるが、え?何これ?というような彫刻がたくさんあり、面白い。

一本!!

「こら!カツオ!」「や、やめてよ父さん~!!」

夕食は、IEのフランス人の友達と共に取ることになっていた。彼の奥さんは地質学者で石油会社に勤めており、このオスロに長期出張で来ている。そのためその友達と子供も一緒にオスロに滞在しているのであった。彼らは海沿いの値段もリーズナブルなレストランに連れて行ってくれた。嫁がそこで注文したスモークサーモンが、初めてのノルウェーサーモンだったのだが、これは絶品だった。食事だけでも満足だったのだが、途中大雨が降り、それが上がると、港にとても大きな虹がかかった。友達の夫妻の坊やも大喜びであった。

オスロにかかる虹

次の日は、フィヨルドツアーに行くために朝早いことから、夕食も比較的に早めに終え、ゲストハウスに戻ることにした。帰り際にセブンイレブンによって、大好きなHariboグミを買った。Hariboはドイツの会社だが、何故かノルウェーにたくさん売っている。日本では見たことのない味のものもたくさんあり、かなり興奮。だがそれ以前にセブンイレブンがこれほどたくさんあることに驚いた。日本を離れて以来、一度もセブンイレブンを見ていなかったのだが、セブンイレブンがあると何故かとても安心する自分がいた。

ゲストハウスに戻ると、テレビをつけてみた。そこでは雪もないのに、クロスカントリーが放映されていた。こちらでは、夏でもスキー競技が盛んらしい。雪がなければ車輪付きのスキーを使うのである。そりゃ冬のオリンピックも強いわけである。

もう少し長めに滞在したいオスロであった。もっと金があればであるが…。

2009年8月10日月曜日

夏休み旅行 ~スイス チューリッヒ~

スイス最後の目的地は、スイス第一の都市、チューリッヒである。ここは、ジュネーブと違い、街が川で二分されている典型的な欧州の都市である。海外駐在員が住みたい都市ナンバーワンにランクインしているので、相当綺麗な街だろうと思っていた。でも綺麗ではあるのだが、歩いてみると意外に汚いところもたくさんある街だと思った。

車を駐車したところは、金融街になっていて、スイスの投資銀行の本店やら何やらが並んでおり、ランチのくせにやたらと高そうなレストランで食事をする身なりの綺麗なビジネスマンをたくさんみかけた。

が、車を駐車する前に、いくらか街を車で走ったのだが、汚い建物やいかがわしい感じの店が並んでいる区域を見つけた。いくらスイスといえども、やはりそうしたところはあるということなんだろう。

街を走る路面電車

ドイツ語圏ということで、昼食はソーセージを食べた。きちんとしたレストランではないのだが、なかなかおいしい。スイスは食べ物に大きな失敗がない。夕飯も結局ソーセージを食べた。ガイドブックに書いてある地元の人間が行列を作る店らしい。確かにこれもおいしかった。ビール、ソーセージにパンというシンプルな組み合わせだったが、十分に楽しめた。

人気のソーセージ屋

ところで、この街で気になったことが一つだけある。非常に多くの若者が「Freitag」のバックを使っているということである。とにかく本当に多い。ということで気になってGoogle mapでFreitagの店を探してみた。どうやら直営店があるらしいので、行ってみることにした。

後から知ったのだが、チューリッヒはFreitagの本拠地らしい。積み上げられたコンテナで出来ているこの直営店には、無数の商品が陳列されていた。どうやら色々な国から客が来てるようで、おばちゃんの客も結構いた。日本では特定のショップにFreitag製品が置かれていたが、専門の店はなかったと思う。結構好きなブランドなのでわくわくしてしまった。

Freitag直営店

見覚えのあるロゴと看板

プラモデルの箱の様にたくさん陳列されているが、
同じ製品は世界に二つとない

メッセンジャーバッグ

意外な発見のあったチューリッヒでスイスの旅行は締めくくられた。明日はいよいよ初めての北欧である。

2009年8月8日土曜日

夏休み旅行 ~スイス グリンデルワルド、インターラーケン~

旅行二日目はジュネーブから車でレマン湖の湖畔をひたすら走り続けた。レマン湖はスイスでは海のような扱いのようで、泳いでいる人間もいる。山と湖を見ていると、まるで日本の風景のようであった。また長らく湿気のある気候から遠ざかっていたのだが、やはりこっちの方が本当に肌に合うと、強く感じた。

途中、道は湖畔から山の奥へと入って行った。山の上から見下ろす風景は、本当に絵に描いたようなものだった。昔やっていたハウス食品劇場でみたような景色が目の前に実際にある。

ハウス食品劇場

色々な街を通過し、その日の目的地であるグリンデルワルドに到着した。ここは避暑地として有名なところであり、またヨーロッパで最も高い位置にある駅、ユングフラウヨッホに行くための駅がある場所でもある。世界中からたくさんの観光客が来ていて、皆登山やサイクリング、そしてパラグライダー等を楽しんでいた。そこはもうアルプスの少女ハイジの世界であり、あの歌を口ずさむことを避けることは出来なかった。口笛はなぜ、遠くから聞こえるの?

おしえておじいさん~♪

この日は、一回がレストランになっているゲストハウスに宿泊。またしてもバスルーム共同。といっても、やはりスイスなので清潔である。

次の日は、グリンデルワルドからユングフラウヨッホに行くため、ユングフラウ鉄道という登山列車に乗った。インターラーケンからユングフラウヨッホに辿りつくまでの電車の旅は、世界中の旅行者を魅了している。この区間は実際は3つの鉄道に乗ることになり、最後の鉄道、クライネシャイデック駅~ユングフラウヨッホ駅間をユングフラウ鉄道が走っている。自分達グリンデルワルドからクライネシャイデック駅まではヴェルゲンアルプ鉄道という電車に乗り、そこからユングフラウヨッホ駅まではユングフラウ鉄道に乗った。MBA受験中に日本でTitleという雑誌を買って、欧州鉄道の旅という記事を読み、これを励みに頑張ってきたのだがら、晴れてその夢がかなったので、少し感慨深かった。

ヴェルゲンアルプ鉄道

ヴェルゲンアルプ鉄道からは、雄大な山々をとても鮮明に眺めることが出来た。晴天に恵まれたので、これでもか、という程に美しい自然を満喫することが出来た。電車からは、旅行者が目指すユングフラウが真夏であるにもかかわらず真っ白な雪に頂上付近を覆われている様を目の当たりにすることが出来る。

ヴェルゲンアルプ鉄道の車窓から

逆に、クライネシャイデック駅~ユングフラウヨッホ駅までは、山の中に何キロにもわたり建設されたトンネルをひたすら走ることになるので、周りは真っ暗でつまらない。ただ、窓を開けていると非常に寒い。

山の中に向かうユングフラウ鉄道

ついにユングフラウヨッホ駅に到着した。この駅は、山の中に建設されているので、まるで洞窟迷路のようである。また、すぐに酸素の薄さが体に影響してきて、ボーっとしてしまった。標高3454メートルに位置する駅なので当然である。富士山を上ったことのない自分にとっては、これが人生で最高に高い場所であった。駅の外に出ると、あたり一面雪景色で、向こうに氷河が見える。みたことのない景色が広がっていて、大いに感動した。

ユングフラウヨッホから眺める氷河

ところで一つ気になったのは、この駅にはなぜかインディアンレストランがあることと、韓国の「辛ラーメン」が売られていることだった。アジア料理はたまらなく食べたい我々であったが、インディアンレストランは以上に高く、辛ラーメンは売り切れだった。でも辛ラーメンもやっぱり以上に高かった。韓国人観光客が持参していた韓国料理が羨ましくて仕方なかった…。

さて、この日の宿泊場所は、グリンデルワルドから20キロくらい離れたインターラーケンである。このインターラーケンも山のほとりに位置する世界的に有名な避暑地である(知らなかったのだが)。軽井沢によく似ていると思った。街の中心は、お土産屋やスイス名物チーズフォンデュを出すレストランが軒を連ねているが、それでもガヤガヤした雰囲気はなく、上品さを保った街であった。

インターラーケンの街並

例によって、ここでもバスルーム共同のゲストハウスに宿泊したが、至って清潔。スイスでは、値段の点からだけではなく、雰囲気、そしてしっかりと朝食が出てくるという点からも、ホテルに泊まるよりも、ゲストハウスに宿泊した方がいいと思う。

大自然を満喫するスイスの旅も3日が過ぎ、明日はスイス第一の都市、チューリッヒに向かう。